LC/MSの技術指導 | 日本一タフな質量分析屋のブログ

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日本で唯一、質量分析に関するコンサルタント、髙橋 豊のブログです。エムエス・ソリューションズ株式会社と株式会社プレッパーズの代表取締役を務めます。質量分析に関する事、趣味の事など、日々考えていることや感じたことを綴っています。

先週後半の2日間、会社設立時から仕事の依頼を受けている都内の研究機関へ!

交通費削減とトレーニングを兼ねて、約30 kmの道のりをロードバイクで!!





今年度最初の仕事は、4月から新しく室長になった方とポスドク研究員の研究サポート。お二人とも女性。

もう一人のサポートを依頼されている研究員の方も女性だし、ここは女性研究員が活躍しているなぁ(#^.^#)



ここは、いくつかのLC-MS装置を使える環境にあるのですが、

今年度の仕事は、先ずはサーモフィシャーという世界最大級の機器分析関連企業の、LTQ-Orbitrapと言う装置を主で使うことに。

ここでの仕事を受け始めて以来、ずっと使っているので、色々なクセを知り尽くした装置です。


ポスドク研究員の方には、LC/MSの技術指導も兼ねて対応します。

一緒に分析をする中で、LC移動相やMSイオン源などの条件設定、装置の各種パラメーターの役割と他社装置との対比、

などを解説しながら、条件の最適化を行います。


また、ブランク試料(何も入っていない試料)を測定してデータを確認することで、試料調製時などに汚染物質が混入していないかを確認し、必要に応じて試料調製の指導も行います。


測定データの解析も非常に重要です。

解析ソフトの使い方を教えながら、データの妥当性を確認する重要性やその方法、データの中からゴミを見分ける視点、などを解説します。


解析ソフトは便利なツールなので私自身も積極的に使いますが、それを過信しない、自分の眼で検証する必要性も解説します。


ここまで詳細な内容を数回指導しても、一人でまともに質量分析できるようになるには、2~3年でも全然たりません。


装置メーカーが行うトレーニングは、私も受けたことがあるのでよく分かりますが、私の指導の1/5~1/10位の薄っぺらい、ありきたりの内容です。

まぁ、必要最低限ってやつです。


全くの素人さんが、そんな薄っぺらなトレーニングを2~3日受けただけで、質量分析できる気になってしまう。

最近の装置は、操作性が良すぎるのです❗


そして、理屈も解らず習った通りの使い方しか出来ない状況で、実際の仕事に使う。

それでは、仕事本来の目的に合わせた使い方は出来ないと思います。


日本で質量分析計を使っている企業や大学、研究機関の多くは、そんな状況だと思います。


質量分析屋としては、とても嘆かわしいです。


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