限界7-質量分析計の巻その4:群馬大学で使った質量分析計その2 | 日本一タフな質量分析屋のブログ

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日本で唯一、質量分析に関するコンサルタント、髙橋 豊のブログです。エムエス・ソリューションズ株式会社と株式会社プレッパーズの代表取締役を務めます。質量分析に関する事、趣味の事など、日々考えていることや感じたことを綴っています。

こんばんは☆



質量分析計の今昔話し




前回は群馬大学で日本電子の装置を使い始めたところまで書きました。



今日はその続きです。





高専の装置と大学の装置の違いで最も驚いたのた、データ(マススペクトル)取り込みのスピードです。



高専の装置では、アナログデータで出力はペンレコーダー。m/z 100まで(mはイオンの質量、zはイオンの電荷数) の1つのマススペクトルを1分程で出力していました。



大学の装置では、コンピューター制御によるデジタルデータ取得&出力、m/z 1000までのマススペクトルを一秒間に2~3つ出力できました。





スゴいスピードの差ですよね!





このスピードが速いと何が良いのか?





色々ありますが、一番のメリットは



クロマトグラフとの接続が可能になることです(*^^*)





ここでまた、新しい言葉がでてきましたね~!

ご説明しましょう。





クロマトグラフとは



一言で言うと



混合物を分離するための装置の一種です。



分析法を表す場合は、クロマトグラフィーと言います。





私達の身の回りにある多くの物が、質量分析計の測定対象試料になりますが



その多くは混合物です。




例えば緑茶



有機物だけでも、おそらくは100種類以上の化合物から成る混合物です。


カフェイン、カテキン類、アミノ酸類、などなど。



クロマトグラフィーを使うと、このような複雑な混合物を、1つ1つの化合物に分離することができます。



混合物のままで質量分析してマススペクトルを得ても


何を測定しているのか良くわからないことがほとんどですが




クロマトグラフィーによって化合物を分離して


質量分析すれば



化合物毎の質量情報を正確に得ることができます。






クロマトグラフィーによって得られるデータは




時間軸に沿って化合物毎に分離され




クロマトグラムと呼ばれます。






クロマトグラム上の各化合物の出現時間は概ね数秒~数十秒程度なので、




クロマトグラフと接続できる質量分析計は




マススペクトルを取り込むスピードが速いことが必要最低条件です。








クロマトグラフとの接続が可能になることによって




質量分析計の限界点が大幅に引き上げられたのです。






ちなみに、




群大で使っていた装置が接続されていたクロマトグラフは




ガスクロマトグラフ




という装置でした。






その他にも数種類のクロマトグラフがありますので、




次回はクロマトグラフについて書こうと思います。






ではまた~♪




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