財政政策を見つめなおそう | グレッグのブログ

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そもそも日本は欧州のような緊縮財政なんでしょうか?

すでに一般予算規模は100兆円を超えており過去最大を更新し続けているし、PBだって25兆円もの赤字です。

貯蓄投資バランスから言っても、経常黒字はかなり減少しており恒常化も懸念されています。

財政支出の一層の拡大の余地は限られていると思います。


個人的には財政の中身についてもっと考えた方がいいと思っています。

財政にはいろいろな効用があります。

大事な機能のひとつに所得の再分配機能があります。

日本はこの部分が徹底的にダメです。

低所得者とくに現在の所得に消費量を依存している方々が若者を含めて拡大してるんです。

借入制約を受けて借金ができない、将来の所得を現在に使うことのできない層が増えている。

こういう方々に所得移転すれば素直に消費量が増えるわけなんです。

しかし、日本の年金制度を含めて所得の再分配機能はこれと全く逆です。

日本の金融資産の70%は高齢層が独占している。

こういう恵まれた世代に貧しい若者がせっせと所得移転しているわけです。

貨幣は滞留され市場に出回らないに決まってる。


勿論、高齢者にも資産がなく再分配を必要としている方々もいらしゃるでしょう。

そういう層には責任を持って再分配すべきです。

それには資産の捕捉が欠かせません。

国が個人資産を捕捉できない状態では厳密な再分配政策はできません。

またクロヨン、トーゴーサンといわれる自営業者や農業の方の所得の厳密な捕捉も必要でしょう。

政治家は高齢層にモノは言えません。圧倒的な票田を支配しており高齢層を敵に回してはそもそも議員になれませんから。高齢層は完全に強力な既得権益層になっています。

国民が声を上げていかなければなりません。


財政出動が景気活性化につながらない場面はまだあります。

例えば医療業界ですが、規制でがんじがらめです。

医師、看護師は国家試験があり雇用はそう簡単には増えません。

誰もがなれる職業ではないわけです。介護士や保育士もそうでしょう。

そして施設基準も厳格で総量規制もあるんです。

そうそう医療介護市場には参入できないわけです。参入障壁があります。

こういう産業に財政出動を景気対策と称して公費を新たに投入したらどうなるか?

病院の収益は増えます。しかし、雇用は増えず新規雇用も増えないわけですから、景気対策としては何の効果もないでしょう。投入された公費は貯蓄に回るか、病院の内部留保になるか負債の返済に回ります。

規制のある産業に財政出動しても雇用も設備も拡大しないんです。

こういう構造になってないかをきっちり点検すべきです。


公共投資は社会インフラを含めて将来の供給力上昇に寄与しますので、その投資を行うことで潜在成長率が上がる可能性があります。耐震化や老朽化したインフラ更新は全く反対ではありません。

しかし、それも無限ではありません。

ワイズスペンディングなど陳腐な言葉かもしれませんが、僕は敢えて量ではなく支出先を再考することに財政政策の活路を見つけていきたいと思っています。