http://www.youtube.com/watch?v=RV7Glan17fQ
以前から観たいと思っていたチャンネル桜をようやく観ることができました。 積極財政派の論客と、どちらかというと金融政策重視の上念さんや田中秀臣先生が出演されてました。数多くの論点が含んでおり、大変面白かったです。ご覧になっておられない方は3/3だけでもいいので是非、ご覧いただきたく存じます。
一番興味をそそられたのは、産経新聞の田村さんの提唱された米国債の日銀買い取りで100兆円の財源を出せ!でしたね。誤解された視聴者の方も多かったのではないかと思いますが、(上念さんがわかりやすく解説されてましたが・・)現在、政府に約100兆円超の外貨準備高があります。財務省と言ってもいいでしょう。この100兆円は政府短期証券という政府の借金で賄われ、円売りドル買い介入の結果のドルのほとんどを米国債で運用しているわけです。この米国債をすべて日銀の資産に移し対価として日銀券を出すという提案です。 この100兆円を使って政府は復興対策ができますし、残りは政府短期証券を償還してもいいし積極財政派の方が主張されるような公共投資でもいいでしょう。いずれにせよ市中に円の供給が増えるわけです。デフレ円高を是正する絶好のチャンスであるし、米国債を売るわけでもなければ新たに米国債を購入するわけでもない。政府日銀という統合政府の中で資産を移動することで円の供給が増える。つまり政府は財政のフリーハンドを100兆円も得るわけです。この政策は国内的にも外交的にも軋轢を生じにくく極めて実効性が高いです。そしてインフレになった場合、当然円安になりますから米国債の円建ての価値が上がります。日銀の資産でインフレによって日本国債の価格は下がりますが米国債の価格上昇が相殺してくれるし、収益の政府への還付も減らなくて済みます。これは本当に妙案だと思いますね。インフレになっても日銀のバランスシートは棄損しない可能性が高い。
ただここで大事なのは、やはり日銀のスタンスであると思います。積極財政派の方が主張されるように公共投資をすればデフレ脱却!っていうのは短絡的であり、バブル崩壊以降20年の日銀の歴史を見ていないと思います。日銀はインフレがゼロをわずかでも超えれば金融を引き締めにかかるでしょう。そして市場はそれを織り込んでいる。田中先生が同様の主張を唱えられておりましたが・・。つまりいくら米国債の対価として100兆円を引き受けたとしても、日銀のインフレを許容しないスタンスを放置すればインフレにはなりえません。必ず他の方面で資金をしぼるはずですから。そして市場もそれを織り込みますから、そもそもインフレを前提にした行動を市場は取りません。
大事なことはインフレ目標、物価上昇目標、名目GDP目標のような日銀にタガを嵌めることです。インフレ率が3%になるまでは引き締めないという確固たる政府と市場の約束が必要なんです。僕はここが一番大事で何より優先すべき論点であろうと思うんです。 それにしてもあらゆる方法で日本に財源はあります。デフレなんですから政府はお札を刷ればいい。増税を不退転の決意だなんて、全く現政府は頭が悪すぎて話しにもなりません。この番組は多数の重要論点が目白押しでしたので、また引用させていただきたいと思います。