物価上昇の主因は賃金上昇 | グレッグのブログ

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日本は物価上昇を、インフレを異常なまでに毛嫌いする。

現役世代が少なく高齢世帯が多いということもあるだろう。

ですが世界的に見ても、インフレのコストを異常なまでに見積もる人たちが多いのも事実のようだ。


貼らせていただいたグラフを見ていただければ一目瞭然ですが、賃金上昇率の方が物価上昇率を上まっています。物価上昇と賃金上昇には相関があります。

言い換えれば、賃金の上昇を伴わない物価上昇って長続きしない、一時的なものと理解することが大事なようです。それはクルーグマン教授も繰り返し力説されています。


インフレ誘導を今年一年、主張させていただきました。

一般物価がデフレの日本は当然ですが、輸入物価の上昇や付加価値税増税の影響を受けたイギリスでさえ賃金は上がっていません。これはインフレが加速することはない重要な論点なんです。ですからBOEは繰り返し金融緩和を主張する。一般物価が5%を超えた上昇を見せても彼らはひるまず、金融緩和を主張し続けるのはなぜか?というとユニットレーバーコストが上がっていないから、このインフレ現象は一時的なものと捉えているからなんです。


そもそもインフレ率って何に規定されているんでしょうか?

少し古い式らしんですが、失業率とインフレ率の関係を述べたフィリップス曲線の式があります。


現在のインフレ率=期待インフレ率ーβ(失業率ー自然失業率)+総供給ショック

つまり失業率が高くなればインフレ率は下がり、原油価格や賃金上昇などの過度な上昇があればインフレ率は高くなる。そして総供給ショックの一番の圧力は資源や原油価格の上昇なんかではなく賃金上昇圧力なんです。エネルギー価格や食料品の上昇は歴史的に見てもかなり変動があります。ですから金融政策の項目から除外してるくらいですから。


正常な金融政策っていうのは、総供給ショックを含めた一時的なインフレ率の上昇に目を奪われず、失業率が自然率から乖離してないか?賃金上昇はどうか?を見て判断すべきものです。原油価格や食料品価格を考慮し、一般物価を一定にしようと思えば失業率を上昇させ、賃金を低下させなければなりません。一国の長期的なコストを考えれば、若者を失業に陥れ、現役世代の賃金を落とし設備投資を減らしてまで一般物価を一定に保とうするなど言語道断ではないでしょうか?国の将来を考えれば賃金上昇率や失業率を一番に考えるべきです。

一旦、失ってしまった生産のノウハウや設備や技術は返ってこないんです。可能な限り、若者を生産現場に送ることで国の将来、安定した社会福祉や公共事業が可能になると思います。


引退世代は一時的な物価上昇にばかり目くじらを立て、そして過大な年金を要求するなどの傍若無人ぶりは目に余ります。自分たちが安定した年金を受け取りたいなら、一時的な物価上昇は甘受すべきです。

そして日銀も政府も一時的な物価上昇よりも失業率や賃金上昇率に目を配った政策に今すぐに転換すべきでありましょう。余りにもバカ過ぎます。

国民が物価に関して正しい知識を得られるように啓蒙すべきことが何より大切かと思います。


今年一年、拙ブログを読んでいただきました読者の皆様、誠に有難うございました。

来年も一層精進してブログ更新を続けてまいりたいと存じます。

良いお年をお迎えください。