マーシャルの調整過程 | グレッグのブログ

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需要と供給の均衡が崩れた場合、例えば昨今の円高で輸出企業は円建ての利益が激減する場合、企業はどういう行動を取るだろうか?

基本的に海外でのドル建ての製品の値上げは円高になったからと言って、不可能である。

いくら円高になろうが製品の価格が100ドルは100ドルである。

1ドル100円の時と、1ドル75円のときでは円建ての利益は25%減る。

これはすべて輸出企業の減益となって現れてくる。


円建ての価格が下がるので、利潤=1生産物あたりの価格ー限界費用(1生産物あたりにかかる費用)であるから、

企業は利潤最大化のため価格が下がれば費用を抑える。つまり生産を抑えようとする。

生産量を減少させることで、均衡価格の低下を吸収しようとするわけだ。

こういう均衡点の調整をマーシャル的調整過程と言う。

企業は人員を減らし設備投資の拡大を止め、生産を抑えた方が合理的なのである。

逆に円安になり、均衡価格が上がれば企業は生産を増やした方が利潤最大化になる。

企業は社会福祉法人でも国民お助け隊でもない。

冷静に市場を分析して、その状況での利潤の最大化を目論むだけなのである。


市場で値上げはなかなか受け入れてもらえないが値下げは受け入れ可能である、当たり前だが・・。

円高で輸入業者は値下げ圧力がかかる。

しかし、製造元の海外は円高で自国通貨建ての利益が黙ってても増えるので多少の値下げはどうということはないばかりか、需要の価格弾力性の高い製品を作っている業者はある程度値下げした方が利潤が増える。

積極的に値下げ戦略で来るだろう。

しかし、輸入に競合している製品を作っている国内企業は堪ったものじゃない。

ここでもマーシャルの調整過程を経て生産を減らし、人員を整理し設備を縮小するかもしれない。


こういうプロセスで失業率は上昇し、国民の賃金は減り国内の需要は冷え込む。

海外と直接取引のないサービス業もこの影響を被ることは想像に難くない。


円高は日銀がおカネを刷れば解決するのである。

日本は過度なインフレ状況か?

バカな、壮絶なデフレ状況であろう。

如何に政府日銀が無能であるのか、国民生活を一切考慮に入れてないのか、一目瞭然だろう。

こんな国に住んでいる私たち日本人は不幸である。