よくお札を刷ってインフレになっても、給与は上がらず貯蓄に回ってしまい、返って物価高騰が国民の生活を棄損する、と言われる。
いわゆる、インフレ恐怖症である。
しかし、考えてもみていただきたい。
供給力が一定であれば、インフレが亢進するというのは名目支出の増加の裏返しである。
支出をする、それは消費であれ投資であれ、人々がおカネを何かに換えるのでインフレになるのである。
もし、日銀がお札を刷りまくっても、人々が貯蓄をし続ければ、絶対にインフレになどならない。
スタグフレーションだって、そうである。
資源価格が高騰した場合に企業が原材料費が上がって生産をしぼり雇用が悪化する現象であるが、それだって、もともとは誰かが資源に投資して価格が上がっているからだ。
貨幣を資源関連商品に交換しているから起こる現象である。
その辺を理解していない意見が非常に多い。
日本に必要なのは貨幣への執着から解放され、消費生活の快適さを取り戻すことである。
資産運用も極めて現金に近い普通預金などではなく、株や不動産で運用することである。
貨幣を貨幣以外の財やサービス、資産に交換する行為がこの国ではストップしている。
それでは貨幣は循環せず、持てる層と持たざる層の乖離とその固定化が起こる。
そして既存の大企業しか、収益を獲得する環境がないので、新参者には厳しい社会なのである。
そういう社会は経済のダイナミズムがなくなるので、間違いなく没落する。
持てる層は現状が心地いい。
しかし、日本を活力のない、生産性の低い、貧困層の多い社会にしてしまっていいんだろうか?
子どもたちの未来のために、そういう国であってはならない。