市場には二つの種類がある。
ひとつはストックの市場、そしてもうひとつはフローの市場である。
ストックの市場とは株や不動産、外為市場などである。
フローの市場とは財やサービスの取引市場、労働市場です。
何か需要のショックがあるとストックの市場は短期間に乱高下します。
株価が一日で10%も下がったり、円が数カ月で30%も上昇するなどです。
人々の予想に敏感に反応する市場です。
ゆえに、実体経済と関係がなく、ヴァーチャルな市場などとも呼ばれます。
対して、、実体経済に即したフローの市場はそれほど短期間に乱高下しません。
需要ショックがあってもパソコンの値段が30%も下がるとかは、ありません。
しかし、ふたつの市場が全く影響を及ぼし合わないかと言えば、そんなことはありません。
ストックの市場が下がったままでは、人々の予想が芳しくないと言うことであり、消費が増え、雇用が増えるとは思えないのです。
インフレやデフレなどの貨幣現象が実体経済に影響を与えないなんてことは絶対にありません。
人々の予想が実体経済に影響を及ぼすスピードは緩やかですが、確実に実体経済に影響を与えるのです。
日本はリーマンショックでの実体経済の落ち込みが先進国で一番深刻でした。
株安や円高という人々の予想が下がっているにも関わらず、適切な政策を打たなかったせいです。
日本にはストックの市場の動向を「大したことない」とか「株屋の陰謀だ」みたいに言う輩がまだ多数います。
経済の構造を把握してないトンデモ意見です。
ストックの市場は人々の予想に影響されるんです。
決して、対策をおろそかにしてはいけない市場なんです。