日本に自然発生的な需要はないんだろうか?
何と言っても、高齢化社会である。
介護サービスの分野で膨大な超過需要がいつまでたってもなくなっていない。
特別養護老人ホームなどの介護施設の待機者は40万人いると言われている。
どうして、これほどの超過需要を放置しているんだろうか?
共産主義計画経済体制なら、いざ知らず通常の市場メカニズムが働く分野では考えられないことである。
何のことはない。がんじがらめの規制のせいである。
それも参入規制と価格規制という二重の規制なのだ。
日本には多様な分野で計画経済体制が残っているのだ。
施設介護分野は自治体、医療法人、社会福祉法人の法人以外は参入できない。
また地域ごとに、総量規制もある。
参入は非常にハードルが高い。
そして、介護労働者にも500時間の講習の義務付けがあり、国家試験合格者以外は認可法人の正規職員にはなれないシステムである。
はっきり言って厳し過ぎる参入規制である。
専門的な介護の知識は確かに大事かもしれない。
しかし、頭でっかちの理論より、現場ではお年寄りとのコミュニケーションや力仕事なども必要なはずである。
そして価格規制である。
価格規制を撤廃して介護料を自由化する必要がある。
需要と供給のバランスで価格は決定されるので、高価格の地域には次々に新規起業が参入してくるだろう。
高価格は高賃金を生むので介護労働の供給も間違いなく増えるはずだ。
「食える介護職員」が増えていく。
必ず、こういう議論では安全性云々の話しになる。
厳しい価格競争に晒されるのである。いい加減な介護施設は淘汰されるに決まっているのだ。
技術を進歩させるのは官による規制ではない。競争である。間違いない。
日本には既得権益者や官僚の権益を守るため、くだらない官の干渉が続いている。
需要を掘り起こす努力もせず、需要がないデフレだとほざく。
需要はあるのである。
官による規制をなくせば、まだまだ埋もれた需要はあるんだ。