http://news.livedoor.com/article/detail/5574924/
僕は池田信夫氏が嫌いである。
非常に断定的なものの言い方が嫌いだし、清算主義的なところも嫌いだ。
彼の主張は生理的に受け付けない。
しかし、今回のブログは読むに値する。
非常に優れているし、現在の状況を把握する良い糸口を提供してくれる。
>このように短期的なメリットがわかりやすく長期的なコストがわかりにくいとき、前者だけを追求して後者は他人(あるいは政府)に負担させるモラルハザードは、福島氏に固有ではない。北尾吉孝氏
も指摘するように、東電のような地域独占企業が"too big to fail"を当てにして原発事故のようなtail riskを取るのは、このような非対称的な利得構造のゲームでは合理的なのだ。
>自民党政権も、バラマキ公共事業という目先の利益を求めて、財政破綻というtail riskを取ってきた。民主党では、それがバラマキ福祉になっただけだ。つまり福島みずほ的モラルハザードは、日本の政治家に(そして国民に)深く根ざしたもので、万年野党の場合はリスクをまったく負わないので非対称性が明確に出るが、与党はわかりにくいtail riskとしてごまかすだけの違いなのだ。
tail riskとは起こりえる可能性が非常に低いが、起こったときに非常に甚大な被害を与えるような危険性のことである。
野党はこれを無視して、目先のことだけを追求すればいい。
そして与党もこれをごまかすだけ。
彼は日本にはこの病が蔓延していると言う。
財政のくだりは納得しかねるが、国の重大なtail riskの対処を先延ばしにし、議論に蓋をしている傾向がこの日本社会には存在すると思う。
そしてそれが少しずつ、ほころびを見せ、看過できない状況になっていることを国民が気付き始めていると思う。
こういう曖昧模糊とした不安感が過度な日本ダメダメ論を支えているんじゃないだろうか?
悔しいが、彼の指摘は当たっていると思う。