政府紙幣は確実に通貨供給量を今期に引き上げます。
貨幣を刷って市場に流出させるわけですから、間違いなくインフレ率は上昇するでしょう。
一方、量的緩和政策はどうでしょうか?
市場にある国債を日銀が買い取り、現金を銀行の日銀当座預金に積み増す行為です。
政府紙幣発行とどこが違うんでしょうか??
量的緩和は市場のインフレ期待に依存する政策です。
国債の所有者が元本や利息を払う必要のある民間から、それを負担する必要のない日銀へ移動するわけです。
もし、償還まで日銀が国債を保有し続けると約束すれば、政府は国債の発行分の資金を免除されたことになる。
つまり政府に通貨発行益が生じるわけです。
これは政府が新たな国債発行の資金を獲得したのと同じです。
しかし、日銀がインフレ率がゼロになった時点で国債を売り戻すという期待が市場に形成されているとしたらどうでしょうか?
銀行や企業もインフレ期待を持つことはありえません。
政府紙幣発行も同じです。
今期は確実にインフレになるでしょうが、日銀がインフレ率がゼロになれば金融引き締めするという期待形成が市場にあれば、過度なインフレにならないどころか、デフレ期待のままでしょう。
今、必要なのは、日銀が明らかなインフレになるまで金融引き締めをしないという確固たる約束です。
政府紙幣でも量的緩和でも3±1%のインフレ率をターゲットにする、という縛りがなければ市場は政府紙幣発行でもビクともしないような気がします。
日銀総裁以下、審議委員をすべて更迭して入れ替えること。
政府が確固たるインフレターゲットを設定し、シニョレッジ政策を行うことが急務です。
今のままの日銀ではインフレ予想は発生しないでしょう。
今必要な政策はシニョレッジ政策は勿論ですが、金融政策のレジーム(枠組み)転換なんです。