三橋ブログに中野氏の提言が出ていた。
この人は官僚で頭の良い人だと思う。
少なくとも、復興増税や無節操にTPP参加を叫ぶ人たちよりは100倍マトモである。
しかし、提言の中身に100%賛成できない。
以下の文面は明らかにおかしい
>、国債の増発が金利の上昇を招くおそれがあるならば、日銀が市中から購入すれば金利上昇のリスクから解放される。その結果、インフレが過度に進むようであれば、その段階で金融引き締め、増税、歳出削減などを検討すればよい。
国債発行による名目金利の上昇を貨幣需要関数から考えてみる。
M/P=L(i . Y)である。
名目金利が上がるということはインフレ予想があるからである。
つまりPの上昇予想があるということだ。
右辺は所得の上昇予想があり、名目金利が上がるのだから貨幣需要は一定である。
左辺はPの上昇予想があるということはMの上昇予想があるということに他ならない。
そうでなければ貨幣市場における均衡が崩れてしまう。
つまり、国債発行でマネーストックが増える期待があるということだ。
ここで中央銀行がMを増やす政策を採用したらどうなるだろう?
間違いなく、Pは過度に上昇せざるを得ない。
こういうときはしっかりとPの上昇率つまりインフレ率を注視するべきだ。
中央銀行が買いオペするなど言語道断である。
今までの国債発行では所得の上昇期待が上がらず、名目金利は上がらず価格の上昇予想もなかった。
これが20年間続いてきた。
それは供給>需要の状態がつづいてきたからだ。
今回は供給力が棄損されているので、中野氏の想定のような事態になるかもしれない。
しかし、対処を決して誤ってはならないと考える。