ラヴログ様からのコメントに貿易黒字は資本収支の赤字のことで国内に還流しない、とあった。
もう一度考えてみたが、確かに純輸出を伸長させることに意味はないと思う。
つまり輸出ー輸入を増やすことには全く意味はない。重商主義はとっくに滅亡した議論だ。
しかし、輸出を増やすことには意味がある。
輸出産業は比較優位産業であり、国内企業より生産性が高い。
そういう産業が好況であるということは、日本の生産性が上がっている証拠である。
これは突き詰めれば比較優位論になる。
つまり日本の労働力や生産設備や技術が一定だとすれば、輸出が増えるということは比較優位産業である輸出産業に労働力や資本が集約されていることになる。これは明らかにGDPを増やす誘因になる。
輸出産業に移動した人的資本や生産設備が減った分、輸入は増えるはずだ。
それだけ国内の低生産性産業が消滅したことになるから。
輸出や輸入の絶対額を増やすことは、低生産性産業の国家保護を止めることに等しい。
これは国民の税金を減らし安価な製品を購買でき、残った所得を他の需要に振り分けることができるのだ。
明らかに経済厚生は上がるだろう。
これはTPPのメリットだろう。
しかし、話しはそんなにうまくいくのだろうか?
食糧自給をあきらめていいのか?
農業は石油がないと物流もできないんだから、石油を100%海外に依存してるんだから食糧も同じという意見もある。
TPPは上記のようなメリットはあるが、副作用についてももう一度考えてみようと思う。
だが、期限を区切って早急に答えを出すことには反対である。