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自然界にほとんど存在しない反物質が雷で生成された証拠を捉えたと、京都大や東京大などのチームが発表した。
論文が23日、英科学誌ネイチャーに掲載される。
チームは2006年から、雷が多発する日本海沿岸などで、落雷時に放出されるガンマ線(放射線)について調べる地上観測を実施。今年2月、新潟県柏崎市の沖合数百メートルで発生した落雷の後、反物質ができたことを示す微弱なガンマ線を検出した。
データの分析から、この現象は〈1〉雷から放出された強力なガンマ線が大気中の窒素の原子核に当たり、中性子が1個飛び出る〈2〉中性子を失った窒素が別の物質に変化する間、通常の電子と逆にプラスの電気を帯びた反物質の「陽電子」を放出する〈3〉陽電子が大気中の電子と衝突し、微弱なガンマ線が出た――と考えられるという。窒素が別の物質に変化するまでの約10分間、雲の中には数兆個の陽電子が存在したとみられる。
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2017年11月23日 07時42分 Copyright © The Yomiuri Shimbun