糖質・炭水化物を食べないのは危険!肥満で悩んだら「栄養バランスの黄金比率」を重視! | 勇者親分(負けず嫌いの欲しがり屋)

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 糖質制限や抗糖化など、最近、さまざまなダイエット法が健康に良いと注目を浴びていますが、本当のところはどうなのでしょうか。

 糖質は糖尿病の原因とされ、なるべく血糖値を上昇させない、糖質を制限するという食べ方が注目されています。その昔は、血糖値を上げないためにインスリンが十分に出せることが良いと考えられていましたが、今はインスリンを多く出し過ぎるのも身体にとってはリスクになるので、なるべく血糖値を低く保てるように、糖質を制限してしまったほうが良いと思われています。それが糖質制限ダイエットの基本的な考え方になっています。

 そして、抗糖化というのは糖が血中に長く存在することでタンパク質と結合し、その最終糖化産物が老化を促進してしまうことから、GI値(グリセミック・インデックス)の高い白米ごはんや、白パンなどの糖質の多い食品を避け、GI値の低い食品が推奨されています。

 では、この糖質や炭水化物は、身体にとって必要ない物なのでしょうか。

 それは明らかに違います。炭水化物、脂質、タンパク質は生きていく上で必要なエネルギーになることから、3大栄養素といわれていますし、それぞれに特徴があり、今の栄養学では、これらをバランス良く摂取することが重要とされています。

●「糖質・炭水化物=悪者」となった背景

 それでは、なぜ糖質や炭水化物がここまで悪者になってしまったのでしょうか。

 基本的に食べ物のなかった時代には、肥満者は存在しませんでした。エネルギーは使った分だけ食べるような食習慣だったと想像できます。そして、少しずつ飽食の時代となり、肥満が裕福の象徴だった時期もありましたが、逆に健康リスクにつながるという数多くの報告から、肥満が良くないという認識が定着しています。

 そして、肥満の原因はカロリーの摂り過ぎであるため、体重を減らすため1グラム当たり9キロカロリーと、もっともカロリーの高い脂肪をいかに摂取しないようにするかが、ダイエットの主流であった頃があります。

 しかし、脂質を制限してしまうと、今度は糖質の摂りすぎの問題が浮上してきました。逆に糖質を制限しすぎると、脂肪やタンパク質でエネルギーを摂取しなければならなくなり、食事のバランスが脂肪やタンパク質に偏ってしまうため、また別の問題が浮上してくるように思います。

 現に、糖質制限食を実践されている人で、動脈硬化のリスクが高くなるという海外での論文報告がありますし、高タンパク質食でもエネルギー過多の問題や、タンパク質が分解された後、体の毒素となるアンモニアを無毒化し体外へ排泄させるため、肝臓や腎臓への負担が懸念されます。
 要するに、エネルギーは必要な量を摂取すれば問題がなく、炭水化物、脂質、タンパク質は、それぞれの役割があるため、ある一定量は最低限でも必要で、それらを最適なバランスで摂取する事が理想だと考えます。

●栄養バランスの黄金比率

 現在、国が推奨している日本人に適している栄養バランスは、炭水化物50~65%、脂質20~30%、タンパク質13~20%となっています。

 これを見た目の食事バランスでわかりやすく表現すれば、図のようになります。このとき注意が必要なことが、主菜は基本、肉や魚、卵や大豆製品のこと、副菜は野菜が中心で1皿70グラム以上あれば十分です。脂質摂取にかかわるポイントとしては、4皿のうち脂質を使用してよいのは2皿まで。主菜には必ず脂肪が含まれていますので、残りの主食を含む3皿のうち、2皿はお浸しや、味噌汁、和え物など、まったく油を使わない調理法にすれば良いと考えます。

 そしてエネルギー量はご飯で調整。活動量の多い人は、ごはんは多めでも問題ないですが、活動量が少ない人では100グラム程度のごはんでも十分な場合があります。

 このとき、主に糖質は主食であるごはんに多く含まれますが、副菜や主菜の食材や使用された調味料にも、含まれますので、どのような食材が使われ、どのような調理をされているかを理解することが重要です。

 健康的にバランスよく食事をしたい方は、極端な制限食を実践するのではなく、3大栄養素である炭水化物、脂質、タンパク質の黄金バランスを崩さずに、活動量に適したエネルギー量を摂取することをお勧めします。十分な野菜や適量のタンパク質をバランス良く摂取する事で、糖質や脂質の吸収リスクも避けられますし、体内で働く酵素や補酵素としての栄養素も、しっかり体内に入ることが可能となります。

 体質改善をしたい方や肥満を解消されたい方は、まずご自身が食べられている食事の内容を把握することから始めてみましょう。
(文=森真理/武庫川女子大学国際健康開発研究所講師、管理栄養士)