「ほらあれっ!あの人!名前なんだっけ!?」を防ぐ効果的な「記憶術」とは? | 勇者親分(負けず嫌いの欲しがり屋)

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人は、固有名詞、とりわけ名前が思い出せなくなることを、NHKの朝の情報番組『あさイチ』が取り上げていました。これは「記憶」に関する話題です。「ほら!あの人、名前何だっけ!?」というアレですね。

「ほらあれっ!あの人!名前なんだっけ!?」を防ぐ効果的な「記憶術」とは?


◆記憶の3つのプロセス
記憶には3つの局面があります。

 ●覚えること(記銘)
 ●保存すること(保持・蓄積)
 ●思い出すこと(想起)

です。
また、記憶することには常に、忘れる(忘却)ことが伴います。


◆記憶の種類と構造
ひと口に「記憶」といっても、その保持が30秒から数分で、覚えてもすぐに忘れるのを「短期記憶」、それ以上の長さを「長期記憶」といいます。初めてかける「電話番号」は、かける直前に覚え、かけたら忘れているでしょう。これに対して恋人の電話番号は、何度も掛けているうちにすっかり覚え、何年も忘れない「長期記憶」に変わります。

●「長期記憶」は4つに分類されます。
(1)思い出に相当する「エピソード記憶」
(2)一般的な知識に該当する「意味記憶」
(3)運転や箸の使い方のように、身体で覚えこむ「手続き記憶」
(4)「プライミング記憶」。「き×く」と書くと、たいていはこの×を、「お」と思うでしょう。このように、「これはこうに違いない」と判断する根拠になる記憶を「プライミング記憶」といいます。

さらに、記憶は階層化されていて、下層から順に、手続き記憶・プライミング記憶・意味記憶・短期記憶・エピソード記憶という説が「記憶システム相関」という考え方です。

●この仮説には次のような特徴があります。
(1)下の階層ほど原始的で、生命維持に重要、上の階層ほど高度な内容
(2)下等動物ほど下の階層が発達、高等動物ほど上の階層が発達
(3)成長につれて下の階層から発達し、一番遅れて最上位の「エピソード記憶」が発達。生まれてからしばらくは「手続き記憶」がもっぱらです。それ以降10歳くらいまでは、暗記が得意な時期で、「意味記憶」が発達。これを越える年齢になるとエピソード記憶が優勢になっていきます。
(4)歳をとり記憶力が衰えると、上の階層の記憶から消失していきます。まずは「朝ご飯を食べた」という経験を忘れる「エピソード記憶」、次いで、自分の身内が誰なのか、今日はいつなのかが判らなくなる「意味記憶」。でも、下層の、手続き記憶(服の着替えや食べ方など)は記憶に残り続け、なかなか忘れないのです。


◆効果的な「記憶術」
最近の脳科学の知見から、効果的な記憶術を挙げておきます。

(1)短期記憶は覚えられる数が7±2なので「チャンク化」をする。0917592043は10個なので、091-759-2043などと3つのグループに分けます。これがチャンク化です。
(2)繰り返し(復習)によって記憶を長期化できます。
(3)情熱をもって覚える。慣れや無関心は記憶力を低下させます。
(4)「関連付ける」ことで効果的に記憶されます。「語呂合わせ」によって円周率を覚えるなどが好例です。
(5)覚えたことを他人に「語る」ことによって、意味記憶をエピソード記憶に変換できます。逆にエピソード記憶は放っておくと意味記憶になるので、「度忘れ」などが起こります。その意味でも、時々人に話すことが有効です。

Mocosuku編集部