睡眠時間を十分にとれば疲れはとれるという誤解 | 勇者親分(負けず嫌いの欲しがり屋)

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季節の変わり目でもあり、体調を崩しやすいこの時期。普段の生活をしていて疲れが溜まりやすい、なかなか疲労が回復しない……そんな慢性的な疲れで悩んでいる人は多いのではないでしょうか。これといった病気でもないのに日々の疲れがとれないという人は、睡眠に問題があるのかもしれません。実は睡眠は、ただ長く眠ればいいというわけではないのです。ここでは、疲労回復における睡眠の重要性について考えてみます。

【特集】長時間寝ても疲れが取れないの理由って?

◆長時間寝ているのに疲れがとれない理由

それなりに睡眠時間をとっていても、なかなか疲れがとれない場合があります。実際に、長く眠ったからといって、それだけ疲労が回復するわけではないのです。睡眠の「質」が悪ければ、疲労回復の効果は低下するのです。では、質の高い睡眠とはどんなものでしょうか? それは、目覚めたときに気分がスッキリとしていて、かつぐっすり眠れたという実感を伴う眠りです。

◆睡眠の質を決めるのはノンレム睡眠

一般に睡眠は、深い眠りである「ノンレム睡眠」と、浅い眠りである「レム睡眠」に分けられます。ノンレム睡眠とレム睡眠はセットになっており、60~120分程度の間隔でこれが繰り返されます。これが「睡眠周期」と呼ばれるものです。さらに、ノンレム睡眠の中には「徐波睡眠」と呼ばれる特に深い眠りがあり、脳を休める効果が高いと言われています。つまり、この徐波睡眠がしっかり現れているものが質の高い睡眠というわけです。そして、徐波睡眠が現れるのは入眠後3時間だけ。つまり、眠りの質を決めるのは序盤なのです。

◆概日リズムと睡眠周期を合わせる

一方、睡眠周期とは別に、私たちのカラダには概日リズム(サーカディアンリズム)と呼ばれる1日単位の周期があります。概日リズムよって体温の変化やホルモン分泌などの生理現象が起こるのです。眠りに関連する生理現象としては、(1)メラトニンの分泌、(2)コルチゾールの分泌、(3)深部体温の変化…などが挙げられます。以下、各項目と眠りの関係について見ていきましょう。

●メラトニン
眠りを促すホルモンで、「睡眠ホルモン」とも呼ばれます。朝日を浴びてから14~16時間後に分泌が始まるため、朝7時に目覚めたら夜の9~11時に出始めることになります。それが就寝のタイミングの目安になります。光を浴びていると分泌量が低下するので、例えば午前0時に就寝するとしたら、その1~2時間前くらいからは部屋を暗くして、パソコンやスマートフォンなどの画面を見るのも避けたほうがいいでしょう。

●コルチゾール
自律神経系を刺激し日中のカラダを活動的にするホルモンで、「ストレスホルモン」とも呼ばれます。起床時に最も多く分泌され、その後次第に分泌量が減っていきます。ストレスが多いとコルチゾール分泌量が増えるため、カラダがリラックスできずに睡眠を妨げることになります。ストレスの多い生活を送っていると不眠になりがちなのはこのためです。


●深部体温
文字どおり、カラダの中心部の体温のこと。朝から日中にかけて上昇し、夜から深夜にかけて徐々に低下、早朝にかけて急速に下がっていきます。この深部体温の変化の落差が大きいほどぐっすり眠れると言われています。つまり、就寝前にはお風呂でしっかり温まってから、カラダが冷えないうちに布団に入るのが理想的です。

◆早寝早起きが理に適っているワケ

一方、レム睡眠は、睡眠周期に関係なく、明け方近くになると出現頻度が上がり、また時間も長くなります。例えば、夜更かしをして朝方眠りにつくとします。睡眠周期的には、深い眠りである徐波睡眠が現れるのは入眠後3時間ですが、概日リズム的には朝方はレム睡眠が現れやすい時間帯です。睡眠周期と概日リズムがバッティングするわけですから、あまり質のいい眠りにならないことが予想できますね。実際に朝方床に就くと、眠りが浅く、やたらと短い間隔で夢を見ては目が覚めるということを繰り返すことがあるのは、そういう理由があるからなのです。

◆質の高い睡眠で免疫力を向上させる

上概日リズムと睡眠周期をマッチさせること。これは質の高い眠りを手に入れるための原則です。眠りの質が悪く、疲れがとれない状態でいると、自律神経の乱れや免疫力の低下につながり、風邪やほかの感染症にかかりやすくなってしまいます。疲れやすい人は、自分の睡眠を見つめ直して、ぐっすり眠れるように工夫してみてはいかがでしょうか。

Mocosuku編集部