温泉に入る前にチェック…「温泉分析書」の見方 | 勇者親分(負けず嫌いの欲しがり屋)

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 脱衣所などに掲示することが義務付けられている温泉分析書。
 この温泉にはどんな成分が含まれているか、お湯がどのような状態であるかを詳しく書いたもので、いわば温泉のプロフィルのようなもの。これが理解できるようになれば、入浴しなくても味や臭い、肌触りが想像できる。
 とはいえ、一見すると難しい物質名や数字の羅列で分かりづらいので、ポイントを抑えて読むようにしよう。入浴前にチェックすれば、温泉の理解が深まり、湯巡りの楽しみも増える。

源泉名
 その浴槽で使用される源泉名と湧出場所が書かれている。その場で湧いているのか、遠くからパイプで運んできたものなのか。温泉の鮮度を知る上で参考になる。

pH値
 pH6~7.5未満を中性、pH6未満は酸性、pH7.5以上はアルカリ性を表す。酸性ならば殺菌力があって皮膚病に効果があるとされ、アルカリ性ならば美肌効果が期待できる。

泉質名
 泉質名は、「-(ハイフン)」の前が陽イオン、後ろが陰イオンを示していて、それぞれ成分が多い順に並んでいる。例えば「ナトリウム・カルシウム-塩化物・硫酸塩泉」の場合、陽イオンはナトリウムが多く、陰イオンは「塩化物泉」「硫酸塩泉」を含むが「塩化物泉」が濃い。さらに硫黄、鉄などの特殊成分が含まれる場合は泉質名の陽イオンの前に付く。

源泉温度
 熱い湯でお茶を淹れると味が濃く出るのと同じように、源泉が高いほど濃い温泉の可能性が高い。逆に、源泉温度が低いと優しい温泉の場合が多い。

浸透圧
 「低張性」「等張性」「高張性」のいずれかで書かれている。高張性のほうが濃く、低張性のほうが薄くて優しい。また、高張性は湯あたりしやすく、低張性はふやけやすい。

湧出量
 浴槽の数や規模に見合った数値であるかで、温泉の鮮度が推測できる。浴槽1畳分につき、毎分20リットルの湧出量があれば、新鮮といえるだろう。
 (文/野水綾乃)
 (旅行読売12月号より)

プロフィル
野水綾乃(のみず・あやの)
2つ星温泉ソムリエ、温泉入浴指導員などの資格を持つライター。
温泉取材歴は20年近く。山奥の秘湯から高級旅館まで網羅する。未体験の温泉を見つけては湯巡りに出かける日々。