便秘にサヨナラ(1)過剰な下剤で悪化も | 勇者親分(負けず嫌いの欲しがり屋)

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 便秘に悩む人は女性の約半分、男性の約4分の1ともいわれる。若い時は圧倒的に女性が多いが、40歳代頃から男性が増えだし、70歳代からは、男女比がほぼ同じになる。

 「便秘外来」を1995年に初めて開いた順天堂大医学部教授の小林弘幸さんは「東日本大震災以後のストレスで、便秘を悪化させた人が増えている」と話す。

 便秘の人は顔や脚がむくみやすいと言われる。小林さんによると、外見上のむくみとは別に、便がたまる大腸の壁がむくむ「むくみ腸」がしつこい便秘、体の冷えなどの原因になっていることが多い。

 大腸では便に含まれている水分を腸壁を通して吸収している。水分が排出されないと、腸壁にたまり、腸管がむくんで動きが悪くなる。水分が排出されない要因は、腸の血流障害だ。

 血流障害の一番大きな原因は便秘。便は強い刺激物で、たまると腸管壁が圧迫され、血流が悪くなる。3日以上便が出ないと、異常発酵して有害物質を発生させ、汚れた血液が全身を回ることになる。

 もう一つ、腸の血流障害を加速させるのが、便秘解消策として利用の多い下剤だ。下剤は腸に刺激を与えて便を排出するが、慢性的に過剰服用すると腸の粘膜が炎症を起こす。その影響で血流がさらに悪くなる。

 「私の診察を受けに来る人のほぼ全員が下剤を服用されています。長年、過剰に飲んでいる人はすでに、むくみ腸かもしれません」と小林さん。便秘解消策のつもりが便秘を悪化させている。皮肉な話だ。

(2014年4月20日 読売新聞)