米ドラマがヒントに、難病患者救った医師 ドイツ | 勇者親分(負けず嫌いの欲しがり屋)

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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140211-00000015-jij_afp-int&pos=3

【AFP=時事】心臓の機能が著しく低下し、視覚と聴覚を失い始め、胃酸の逆流やリンパのはれ、そして原因不明の高熱に苦しんでいたある患者の悪化する症状に、医師たちは途方に暮れていた──。

尿の臭いで膀胱がん検知できる装置も

 この病の謎を解決できたのは、米人気テレビシリーズ「Dr.HOUSE ―ドクター・ハウス―(House M.D.)」の天才医師グレゴリー・ハウスだけだ。ただし今回の診断はテレビの中の話ではなく、現実世界で行われたものだった。

 7日の英医学専門誌ランセット(Lancet)が、「ドクター・ハウス」のおかげで55歳の患者の命を救うことができたというドイツの医師たちについて伝えた。

 この患者は2012年5月、原因不明の症状を訴え、独マルバーグセンター(Marburg's Centre for Undiagnosed Diseases)に入院した。病歴を詳細に調べた医師らは、この患者が人工股関節置換手術を2度受けていることに注目した。

 チームは「ドクター・ハウス」のシーズン7のあるエピソードを思いだし、人工股関節の劣化によるコバルト中毒を疑った。

 CTスキャンと血液検査で、その疑いは確信となり、すぐに患者の金属製の人口股関節をセラミック製のものに取り換える手術を行った。

 一連の症状の原因は人口股関節の腐食だった。


■ドイツのドクター・ハウス

 手術後の報告書には「患者の血液内のコバルト値とクロム濃度が低下し、彼の容体は少し回復した」と書かれていた。

 手術から14か月後の昨年7月までには、患者の心臓機能は改善し、熱も胃酸の逆流もなくなった。心臓の働きを助けるために除細動器をつけるまでになっていたという。

「ハウス医師のおかげで、コバルト中毒について知っていたことが助けになった」と、診断チームを率いた医師のユルゲン・シェーファー(Juergen Schaefer)氏はAFPに語った。

「エンターテイメントとして優れた医療ドラマは、私たちを楽しませ啓蒙してくれるだけでなく、人々の命も救ってくれるということだ」と、シェーファー医師は言う。

「ドクター・ハウス」は、ほかの医師たちが診断できない病気の謎の解明を専門とする、気難しくてひねくれ者の診断医の話だ。シェーファー氏はこのドラマのファンで、実際の診断が基にしたいくつかのエピソードを、自らの講義で数年前から使っているという。

「珍しい病気に対して生徒たちの注意を引くためだ」と話すシェーファー医師。彼は同僚や学生たち、そしてメディアからも「ドイツのドクター・ハウス」と呼ばれている。【翻訳編集】 AFPBB News