メタボ健診で「減酒支援」 | 勇者親分(負けず嫌いの欲しがり屋)

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問題飲酒 点数化し判定


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 「メタボ健診」と呼ばれる特定健診と特定保健指導に、来年度から「減酒支援」が加わります。アルコール依存症を防ぐ切り札になるのでしょうか。

日記の作成 節酒意識促す

 ――健診にどのように取り入れられるのですか。

 「特定健診と特定保健指導は、40歳から74歳までの公的医療保険加入者を対象に、2008年から始まりました。腹囲が男性85センチ以上、女性90センチ以上で、血糖や血圧などが高い人に、医師や保健師らが運動や栄養面などの指導を行い、生活習慣の改善を促します」

 「減酒支援はこの枠組みで実施されます。日常的に飲酒の習慣がある人に、WHO(世界保健機関)作成の10問の記述式評価法『アルコール使用障害同定テスト』(AUDIT)を受けてもらい、合計点によって飲酒に問題があるかどうかを判定します」

 「例えば『過去1年に、飲酒のため前夜の出来事を思い出せなかったことがどのくらいの頻度でありましたか』の質問で、回答が『1か月に一度未満』は1点、『1週間に一度』は3点、『毎日あるいはほとんど毎日』は4点などと点数化されます。10問の合計点が15点以上の人は『アルコール依存症の疑い』とされ、専門医療機関の受診を勧められます。8点以上、14点以下は『問題飲酒』となり、減酒支援が行われます」

 ――減酒支援や医療機関での対応はどのように行われるのですか。

 「減酒支援のプログラムでは『飲酒日記』の作成が重視されます。『週に2日は休肝日を作る』など、目標を自分で決めた上で、日記をつけ始めます。毎日の飲酒量、飲んだ状況、目標達成状況の3項目を書き留めるだけの簡単なものですが、これを習慣化することで意識が向上し、酒量が減ることが過去の研究で知られています」

 「15点以上の人は専門医療機関の受診を勧められます。ただ、アルコール依存症の専門医の中には、『20点前後の人でも、減酒支援で効果が得られることが多いのに、15点の人までいきなり断酒治療が中心の専門医療機関につなげるのは早過ぎる。節酒ができる人にいきなり断酒を勧めたら、かえって医療から足が遠のいてしまう』と心配する人もいます。この点数はあくまで目安で、医師や保健師は柔軟な対応が求められます」

 ――問題のない飲酒量はどのくらいですか。

 「飲酒は悪いことばかりではありません。例えば、1日当たりの純アルコール摂取量が10~19グラムの男性は、最も死亡率が低いという研究があります。適量の晩酌は健康維持に役立ちそうです。ですが、摂取量がそれ以上増えると、死亡率が上昇していきます。お酒はほどほどが肝心です」

 「お酒に含まれる純アルコール量は、比較的簡単な計算式で求められます。純アルコール10グラムを1ドリンクとして、適量の目安を換算表で知る方法もあります。例えば、ビール大瓶は2・5ドリンク、日本酒1合は2・2ドリンクとなります。1日6ドリンク以上は多量飲酒とされます」

 「体質にもよりますが、通常は体内から1ドリンクのアルコールが消失するのに約2時間かかります。日本酒2合だと9時間かかり、深夜の酒が朝も残ってしまいます。朝に車を運転をする時は、前夜のお酒の飲み方にも注意してください」(佐藤光展)
(2013年3月24日 読売新聞)