元気なう 温泉の効用 (1)適応症に「うつ状態」追加へ | 勇者親分(負けず嫌いの欲しがり屋)

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 温泉の恋しい季節。レジャーに加え健康への効用を期待する人も多いだろう。

 日本健康開発財団の温泉医科学研究所(東京)主任研究員、後藤康彰さんによると、体を温めることで血行が良くなり、ぬるめの湯は副交感神経を刺激しリラックスさせる。湯に全身がつかると浮力で体重は10分の1となり、足腰の負担が軽減。水圧が天然のマッサージ効果ももたらす。

 だが、これだけなら家庭の風呂や温水プールでも同じ。温泉の特長は湯に含まれる化学成分だ。しかし、「医学的に十分証明された効能は限られており、さらに研究が必要」という。

 脱衣所などで見かける、泉質と「適応症」が書かれた温泉分析表。1982年に環境庁(当時)が通知した九つの泉質別適応症だが、これは経験的に言われてきた効能をまとめたにすぎない。

 そこで環境省は日本温泉気候物理医学会に委託し、論文を検証して適応症を見直した報告書を2011年作成。「慢性婦人病」「胆石症」などが消え、入ってはいけない場合(禁忌)から「妊娠中」が外れた。適応症で「うつ状態」など新たに加わったものもある(通知は未改正)。

 検証にあたった同医学会理事長(日赤医療センターアレルギー・リウマチ科部長)の猪熊茂子さんは、「科学的に証明されていなくても、古くから伝わる効能はおそらく本物。自然環境に身を浸す精神的な効果も大きいので、難しく考えず、温泉で心身を癒やしてほしい」と話す。

(2013年1月27日 読売新聞)