放射能と暮らす(7)複数回測定 平均値で判断 | 勇者親分(負けず嫌いの欲しがり屋)

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 簡易型の放射線測定器は、どんなことに気をつけたら良いのだろうか?

 高エネルギー加速器研究機構(茨城県つくば市)で、簡易型の測定器を使った実験をしてもらった。

 放射線源を置き、測定器のスイッチを入れた。すると、20秒ごとに毎時0・19~0・44マイクロ・シーベルトと違う値が表示された。

 放射線測定器は、一定時間に入った放射線の数によって放射線量を計算している。低い放射線量だと、時間ごとに入ってくる放射線の数にばらつきが大きいため、数値が大きく変わることがある。

 同機構放射線科学センター助教の岩瀬広さんによると、機種によって測定時間(数分程度)が異なるので、スイッチを入れ、しばらくして数値が安定するなら、その数値を読む。数値が変化するなら平均をとる。

 「測定時間を変更できる機種なら長めに設定し、何回かの平均をとるとさらに良い」とアドバイスする。

 公表されている空間の放射線量は、放射線のうち「ガンマ線」を測ったものだ。これに対し、最も普及しているガイガーカウンターという機種は構造上、「ベータ線」も拾いやすい。実際の放射線量より何倍も高い不正確な数値を表示することがあるので注意が必要だ。

 測定器がベータ線を拾うのを防ぐには、ベータ線を遮蔽できるアルミ製の鍋などに入れて測るとよい。数値が大きく変わるなら、以後その方法で測る。ガンマ線は体を貫通するが、ベータ線は貫通しないので、外部から被曝(ひばく)した場合の人体への影響は小さい。

 同じ場所を測る時は向きを常に一定にし、地上からの高さと合わせ記録しておく。地表近くを測る時は、放射性物質が付着しないようにビニール袋に入れて測る。自治体が業務用の測定器で測った場所が近くにあれば、その場所で同じ条件で測ると、大まかな誤差を知ることもできる。

 こうして得られた値は必ずしも正確でないかもしれないが、線量の高い場所を探す上で役に立つ。同機構研究員の一宮亮さんは「みんなで測った値を共有し、自治体の計測値と比較すれば、どこが放射線が高くどこが低いかを、大まかに推測できる」と話す。