上手な耳かき(3)鼓膜を傷つけない | 勇者親分(負けず嫌いの欲しがり屋)

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 耳かきの最中に誤って鼓膜を突き破るなどしたケースは「耳かき外傷」と呼ばれる。

 耳かきで最も注意すべきことだが、日本医大病院耳鼻咽喉科准教授の池園哲郎さんは「耳かき外傷で受診する人が毎年十数人ぐらいはいる」と話す。近くにいた子供やペットがぶつかって起きた例が多いという。

 破れたのが鼓膜だけなら、ふさがれば聴力は回復する。しかし、鼓膜の奥の小さな骨が折れたりすると回復は難しく、手術することもある。難聴だけでなく、めまいが起こることもある。池園さんは「当たり前のことだが、耳かきは、子供らがいない所で行ってほしい」と話す。

 なお、大人の場合、耳の入り口から鼓膜まで3・5センチほどで、耳あかが出るのは入り口から1・5センチぐらいの所まで。だから、「耳かきは、先を長く持たない方がよい」と埼玉医大耳鼻咽喉科名誉教授の飯沼寿孝(としたか)さんは話す。図のように、ペンを持つときのような形で、指から先に出る部分を3~3・5センチ程度にし、力を入れず、柔らかく持つのが良いそうだ。

 子供にする場合は、鼓膜までの距離が大人より短いので特に注意を。飯沼さんは「耳あかをすっかり取ろうとする必要はない。手前の方を軽くやればよい。どうしても奥が気になるときは耳鼻科へ」と話す。なお、耳かきすると、耳付近からのどに通じる神経が刺激され、せきが出やすくなる。子供がせきをしそうになっていないかも注意したい。(高橋圭史)

(2011年2月19日 読売新聞)