http://www.jiji.com/jc/a?g=afp_soc&k=20110201026419a
北京1日AFP=時事】中国浙江省の裕福な村がこのほど、泥棒の侵入を防ぐため「万里の長城」を模した壁で村をぐるりと囲った。英字紙チャイナ・デーリーが1日伝えた。(写真は北京郊外で見られる万里の長城の一部)
壁は高さ7メートル、厚さは1メートル近くもあり、万里の長城のように上部に「銃眼」のギザギザ模様がつけられているほか、鉄製のゲートが設けられている。古風な造りだが現代的な部分もあり、ゲートが施錠される深夜以降、住民は村に入るのに電磁読み取り式のカードを使用している。
村は携帯電話、コンピューター、現金などの窃盗が急増したのを受けて壁を建設。建設費50万元(約620万円)の大半は住民270人が負担したという。
この村は、2007年に近くに幹線道路が建設されて以来、多数の工場が立地するなどして経済的に発展し、住民の所得が増加。昨年の地方の平均年間所得が5919元だったのに対し、村の世帯の所得は2万元以上に上った。地元当局者は、住民が豊かになり、高価な家具や電気製品、現金が各世帯で増えるにつれて、窃盗事件が頻繁に起きるようになったと話している。
古代や中世の中国では、都市や村の周囲に壁を築くことは一般的だった。万里の長城も北方民族の侵入を防ぐため何世紀もかけて建造された。 〔AFP=時事〕