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寒い冬の朝、目が覚めても寝床から出るのは苦行ですらある。シャキッと起きて1日を元気に過ごせるちょっとしたコツはないものか。
「明け方は体温が低くなっている。布団の中で体を動かして体温を上げ、脳と体を『休息(副交感神経)モード』から『活動(交感神経)モード』に切り替えて」と話すのは、「毎朝スッキリ起きる技術」などの著書がある精神科医の梶村尚史さんだ。
「具体的には、布団の中でひざを曲げ伸ばししたり腰をひねったりして、できるだけ徐々に体を動かす。大切なのは、全身の筋肉を使うことです」
布団から出たら、カーテンを開けて朝日を浴びよう。眠気や目覚めなどをつかさどる人間の体内時計は、1日に1時間ほど遅れるが、強い光はこのずれを修正してくれる。熱めのシャワーを浴びると、全身の皮膚が刺激されて交感神経はより活発になり、体温や血圧が上昇する。これで脳も体も活動する準備が整う。
朝が楽しみになる習慣も、起きる動機付けになる。日光を浴びる散歩などは理想的だが、梶村さんは「インターネットなどやりたいことなら何でもよい」と助言する。
スッキリした目覚めの一番の障壁は夜更かし。梶村さんは「朝早く起きることで夜も寝付きがよくなる。良い習慣を身につけると、自然と目覚めもよくなる」と話している。
(2010年12月2日 読売新聞)