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腰割りの効果は、実験でも確認されている。筑波大教授(スポーツ医学)の白木仁さんは昨年、腰割り初心者の30~40歳代の男女8人に、原則1日1セット(10回)を3か月間続けてもらう実験をした。
その結果、平均で体脂肪が0・9%、体重は1・1キロ減り、敏しょう性の指標となる反復横跳びの回数は30秒あたり平均5・6回増えていた。
実験に協力した8人は、「冷え症や腰痛が改善された」「階段の上り下りが楽になった」などの感想を寄せた。白木さんは「普段運動をしていない人ということもあるが効果がはっきり表れた」と話す。
メジャーリーグで活躍するイチロー選手は、腰割りに「肩入れ」の動作を加えている姿でおなじみだ。腰割りの姿勢から、左右の肩をゆっくりと交互に前に突き出す。両肩を2~3回ずつ続ければ、肩甲骨の周りの筋肉のストレッチになる。デスクワークで固まりがちな筋肉をほぐすことができる。
元力士・一ノ矢の松田哲博さん(49)は引退直後、現役時代に付き合ってきた座骨神経痛がぶり返したが、腰割りを始めると、痛みは和らいだ。今では、四股(しこ)も交えて、朝と夜に10回ずつ腰割りを続け、外出時で信号待ちの時にも腰割りをすることも。「誰でも手軽にできて、長続きする運動です。股(こ)関節の筋肉に効いている心地よい感覚を体験してもらいたい」と語る。(野村昌玄)
(2010年11月20日 読売新聞)