腰割りのススメ(2)普段使わない筋肉に刺激 | 勇者親分(負けず嫌いの欲しがり屋)

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 股(こ)関節は人体で最も大きな関節で、体重を支え、歩行にも重要な役目を果たす。股関節の周りが硬いと、ひざや腰を痛めやすい。

 股関節の周りには、現代では日常的にあまり使われない筋肉も多い。筑波大教授の白木仁さん(スポーツ医学)によると、特にお尻の多くを占める大臀(だいでん)筋や、太ももの内側の内転筋、裏側のハムストリングスなどの衰えが顕著だという。

 日本では、生活の欧米化で床のぞうきんがけや和式トイレといった、かつての生活様式が消えつつある。「相撲でいう蹲踞(そんきょ)の姿勢が廃れていることもその表れ」と白木さんは指摘する。腰割りの姿勢は、大腿(だいたい)四頭筋など股関節を取り巻く筋肉だけでなく、体の奥の細かい筋肉など普段はなかなか鍛えることのない部分に刺激を与えて血液の循環を改善し、エネルギーの消費を促す効果も期待できるという。

 ウエートトレーニングなどで筋力を鍛えるには、ある程度強い負荷を筋肉に加えるが、無理に続けると関節も痛めやすい。白木さんは「体重の大きい力士にはスクワットはひざへの負担が大きい。腰割りは下半身の筋肉の安全な鍛え方として継承されてきたのではないか」と話す。

 ただし腰割りに注意が必要な人もいる。骨粗しょう症の人や、脱臼などのけがをして間もない人などは医師に相談したい。

(2010年11月19日 読売新聞)