http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20101022-00000056-sph-soci
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顔写真だけを頼りに窃盗犯捜しをしていた研修中の女性刑事がお手柄―。警視庁新宿署は21日までに、DVDなどを盗んだとして窃盗の疑いで、住所不定、無職の荒井忠司容疑者(31)を逮捕した。見つけたのは「見当たり捜査」の研修中だった板橋区の志村署刑事組対課の女性巡査長(26)。新宿・歌舞伎町の路上で見かけた荒川容疑者の顔にピンと来た。女性巡査長は身長155センチと小柄だが、剣道4段の猛者だという。
その顔にピンと来たのは、私服で捜査中の女性刑事だった。夕方5時の新宿・歌舞伎町。靖国通り沿いのドン・キホーテ前、雑踏の中で前から歩いてくるのは、見覚えのある顔だった。
彫りが深く、二重まぶたの外国人のような顔立ち…。すれ違いざまに男と目が合った。「間違いない」。先輩捜査員に連絡を取り、5人で男を囲んだ。「荒川か?」と職務質問すると、あっさりと容疑を認め、お縄となった。荒川容疑者は近所のパチンコ店へ向かう途中だったという。
逮捕容疑は13日正午ごろ、新宿区西新宿1丁目の「ビックカメラ新宿西口店」5階の倉庫に侵入し、DVDなど6枚(約3万4000円相当)を盗んだ疑い。
新宿署によると、倉庫内の防犯カメラの映像や、盗んだDVDなどを別の店で転売した際に提示した免許証から荒川容疑者を割り出していた。
大学卒業後に志村署刑事組対課に赴任した女性巡査長は、今月6日から警視庁刑事課捜査共助課で研修を受けていた。手配者の顔写真を記憶して追跡する「見当たり捜査」は研修の一環として行われていた。
研修生2人を含む5人1組で70人の容疑者の顔を頭にインプットしてから路上へ捜査に出る。荒川容疑者は70人のうちの一人だった。通常は容疑者の住所まで突き止めて検挙する例がほとんど。人込みの中で容疑者を見つけ出す例はベテランの捜査員でもなかなかできないという。
お手柄の女性巡査長は、志村署によると「身長は155センチくらいで、やせ形。頭が良くてかわいらしいタイプ」。私服を着ていれば普通のOLに見えるという。だが、同署を代表して剣道の全国大会に出場する特別訓練選手。竹刀を持たせると、男性の署員でも歯が立たないという。