テーピング 力を分散し痛みを緩和 | 勇者親分(負けず嫌いの欲しがり屋)

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 外で運動するのが心地よい季節になりました。けがの予防や痛みの軽減につながる、テーピングの活用法を調べてみました。


 了徳寺大学(千葉県浦安市)の野田哲由(てつよし)教授(スポーツ医学)を訪ね、足首のねんざを防ぐ巻き方を教わった=図の〈1〉~〈4〉。

 幅50ミリ、伸縮する布製の筋肉サポートテープを4本、計85センチ巻いてもらった。歩いてみると、安定感がぐっと増した。小指側に足が曲がりにくい。「日常生活やハイキングなどの軽い運動で、けがをする割合が最も高いのは足首。そのほとんどが小指側に足をねじる内反ねんざです」と野田さん。

 だれかに巻いてもらった方がより効果的だが、自分で巻く時は、いすなどにつま先を載せ、足の裏を足と垂直にする。テープの両端はかぶれやすいため、1センチほど浮かせておき、最後に押さえると肌荒れしにくい。はがす際は体毛の流れにそって、皮膚を押さえながら。軟膏(なんこう)や乳液で肌の手入れも忘れないで、と野田さんは言う。

 テーピングは、大別すると、主にスポーツ選手が関節を強く固めるのに使う非伸縮性と、柔軟性を残して固定する伸縮性に分けられる。用途に応じて使い分けるが、手足が動く範囲を制限する、肉離れをしている時などに特定の場所に集中する力を分散して痛みを和らげる、といった効用がある。

 テーピングで運動能力は変わるか。ねんざをした人がテーピングをすると、踏み込む力が増すというデータがある。山本郁栄(いくえい)日本体育大学教授(スポーツ医学)らがアメリカンフットボール選手を対象に足底屈筋力を調べた。テーピングをした選手の筋力は、しない選手に比べ30キロ強かった。

 山本さんは「可動域が制限されるため、痛みを感じる一歩手前で動きが止まる。そのため、けがをする前と同じだけの運動ができる」と分析する。

 競技者にも一般にも人気を広げているのが、伸縮性テープの一種「キネシオテープ(商品名・キネシオテックス)」。アレルギーを起こしにくい特殊なのりを使い、皮膚を持ち上げ、腫れをひかせたり、筋肉の動きを正常に戻したりする。国内外で普及活動をしているキネシオテーピング協会の加瀬建造会長は「健康な人の筋肉の伸縮率に近いテープを目指して改良を重ねた」と説明する。

 テープによってわずかに持ち上がった皮膚の下に、リンパ液や血液の流れるスペースができ、流れが良くなるという原理だ。足の疲れを軽くできると、加瀬さんが幅5センチ、長さ45センチのテープをふくらはぎの裏に張ってくれた。はさみで切れ目を入れ、かかとからひざの裏に向けて張る=図。


 むくんでいる人は、逆にひざの裏からかかとに向けて。どちらの場合も、25%ほどテープを伸ばして張る。張る前は筋肉をもむと痛かったが、張ってからは痛みを感じなくなった。

 日常生活にも活用できるテーピングの魅力を知った。ただ、自分で張ると、慣れないせいか効果が薄い。少しずつ上達していきたいと思う。


(辻外記子)

 ●インフォメーション
 ニチバンは今年度、全国で計19回、スポーツテーピング講習会を開く。基本コースは受講料9450円。野田さんらが講師を務める。問い合わせは同社お客様相談室(0120・377218)へ。キネシオテーピング協会は今年度、全国で200回以上の講座を開催する。受講料7350円から。問い合わせは同協会(03・3319・5381)へ。

 ●参考ウェブサイト
 ニチバン スポーツテーピング講習会のご案内ページ
 http://www.nichiban.co.jp/medical/seminar/sports_k.html
 キネシオテーピング協会
 http://www.kinesiotaping.jp/