女性の健康Q&A 「女性ホルモン」<3> | 勇者親分(負けず嫌いの欲しがり屋)

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第16テーマ「女性ホルモン」
質問<3>
 41歳です。避妊の目的で2年ほど低用量ピルを服用しています。数年後には閉経・更年期が来ると思われますが、いつまで服用を続けていいのでしょうか。また、服用中の健康管理の上で、特に気をつけた方が良いことがありましたらお教えください。(40代)

回答は、対馬ルリ子(つしま・るりこ)先生

回答<3>
●低用量ピルは、10代~40代の女性の健康にメリットがあり、安全

 低用量ピルは安全性が確立されており、10代から40代までの女性にとって、健康上のメリットが高いことが確認されています。現在では、避妊目的だけでなく、月経困難症や子宮内膜症、PMS(月経前症候群)、更年期障害の治療目的にも使われており、日本では避妊目的の女性よりもそれ以外の目的でピルを服用する女性のほうが多くなっています。一般的には月経がある限り、つまり閉経を迎える50歳ごろまでは、低用量ピルを使ってよいのです。

●低用量ピルを服用できないケースは?

 低用量ピルは血栓をつくりやすくすることがあるので、心筋梗塞や血栓症などを経験したことがある方はピルを続けることはできません。またヘビースモーカー(1日15本以上)の方も使用できません。なぜなら喫煙はそれだけでも長い間に血管をボロボロにし、血栓症や心筋梗塞のリスクを高くしているからです。ただし、血栓症に関しても、欧米では遺伝的に血栓症をおこしやすい家系の人が多いのですが、日本では、血栓症はそもそも遺伝的にも少なく、ピルを飲んでいても欧米より少ない(10万人に対して10人以下)ということがわかっています。

 未治療の乳がん・子宮体がんがある場合も、女性ホルモンによってがんが育つのが早くなる可能性がありますので服用を続けることはできません。ピルを服用するにあたっては、まず自分のからだの状態を知っておくことも大切です。そのためにも検診はきちんと受けましょう。

 ただ、低用量ピルを飲むことによって、乳がんや子宮体がんになりやすくなるということはありません。逆に、がんにならないように低用量ピルを飲む女性もいるくらいです。なぜなら、卵巣がんと子宮体がんは、数年以上のピル服用で一生がんが減る効果があることがわかっているからです。

 以上のことに気をつけていただければ、たいていの日本女性は、閉経を迎える50歳前後まで低用量ピルを継続して内服することができるのです。

●50歳以上でも低用量ピルを続けていいの?

 それでは、50歳以上になったらどうすればよいのでしょうか。ふつう50歳以上になると、女性のからだは急激に女性ホルモンがなくなり、更年期症状や、老化や病気が進みやすくなります。そこで、50代以上の女性には、低用量ピルから女性ホルモン補充治療(HRT)に移行していくことをお勧めします。HRTは、低用量ピルに比べてかなりホルモン量が少なく、弱いエストロゲンだけを飲むか、エストロゲンとプロゲステロンという2種類のホルモンを組み合わせた飲み薬、貼り薬、ジェルなどを使う方法です。50代には50代の年齢にふさわしい女性ホルモン治療があるわけです。

 その移行のしかたは、ある年齢(50歳ごろ)になったら、いったんピルをやめて、自分の月経が来るかどうか様子をみる、または、血液検査をして卵巣や下垂体のホルモンレベルを測り、閉経かどうかを判断してHRTに切り替えていくという方法もあります。どのように移行させるかについては、まず主治医とよく相談しましょう。

 低用量ピルや女性ホルモン補充療法(HRT)を上手に活用することで、女性はその年齢に応じてその健康レベルを上げ、より快適に過ごすことができるのです。そのためにも普段から相談することのできる、かかりつけ医を持つこと、また定期的に検診を受けることも大切ですね。そうすれば、これから迎えるあなたの更年期の生活の質も向上すると思いますよ!