青い花、「鉄」が一役 チューリップ研究で判明 | 勇者親分(負けず嫌いの欲しがり屋)

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http://www.asahi.com/science/update/1229/TKY200912290273.html

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 チューリップに赤や白、黄色の花はあっても青い花はない。だが、花の奥の部分だけは青い品種があり、青くなるには細胞内に鉄が多く含まれるのが重要なことが、富山県と名古屋大のグループの研究でわかった。さまざまな花を青くする品種改良につながる可能性を秘めた成果だ。

 富山県で生まれたチューリップ「紫水晶」は、花びらの上部は紫色だが、底の部分は青色。両方の細胞を比べたら、赤や青の色を出すアントシアニン色素の種類や量、酸性度(pH)には、ほとんど差がなかった。ただ、青色の細胞では、細胞内に含まれている鉄イオンの量が、紫色の細胞より25倍も多かった。

 グループは青色細胞で働いている遺伝子から、鉄を運ぶたんぱく質「Vit1」を見つけた。Vit1の働きは、細胞が青くなる前に最も高くなっていた。運び込まれた鉄は色素と結合して、青を発色したとみられた。Vit1の遺伝子を紫色細胞に入れると、その細胞だけ青くすることにも成功した。

 「チューリップでは、花を青くするのに鉄が関係していると考えられる」と富山県農林水産総合技術センター園芸研究所の桃井千巳・主任研究員。吉田久美・名古屋大准教授は「花で鉄がどのように運ばれているかを初めて明らかにできた。この仕組みをうまく活用すれば、他の植物でもきれいな青い花を咲かせられる可能性がある」と話す。(米山正寛)