弁当箱法の実践的活用による糖尿病食事療法における目安形成過程支援モデル開発・評価 | 勇者親分(負けず嫌いの欲しがり屋)

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http://kaken.nii.ac.jp/ja/p/17592277

糖尿病食事療法に弁当箱法を導入し、医師から紹介され研究参加同意が得られた6名の患者(50歳台から70歳代、男性3名女性3名、非インスリン依存性糖尿病患者6名)の反応を質的機能的に分析した。患者の反応として分析した期間は、自分の生活で弁当箱法を実施するまでの期間とした。その結果、弁当箱法を導入した患者の反応は、(1)弁当箱の具体的な作り方へ関心を示し、ルールをわかろうとする(2)負担感のない食生活を希望する(3)食生活全体への思いをめぐらす(4)弁当箱法をやってみようと決める(5)他者のサポートを得ようとする(6)弁当箱法をまずやってみたことを報告する(7)弁当箱法を通してよりよい食べ方を学ぶ(8)弁当箱法を実践し効果を実感する、が明らかとなった。これらの結果から、「弁当」が普段の生活になじみがあり、親しみやすいこと、一回の食事の全体像を把握しやすく、表面積比や調理法によって摂取カロリーや栄養バランスを学習することができ、個々の食品のカロリー計算を求める学習よりも取り組みやすいこと、ルールを完全に習得していなくてもまず実行できてしまうよさがあり、作ってみた弁当をもとに摂取量や栄養バランスについて学習進めていく展開の仕方ができること、もともと食事療法への抵抗感が強く実行する自信がない場合は受け入れがたいこと、弁当の内容を看護師と共に振り返り食文化を看護師と共有することによって、制限と思いがちな糖尿病患者の食生活に豊かさを取り戻し、その人の個別性により対応した支援になりうることが考えられた。