摂食障害患者の難治化要因、治療、予後に関する研究 | 勇者親分(負けず嫌いの欲しがり屋)

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http://kaken.nii.ac.jp/ja/p/09670401

1.早期治療の重要性について:全国6県の施設において疫学調査を行い、鹿児島県と他の5県の結果を比較した。全病型の羅病期間は鹿児島県29.9ヶ月、他5県59.5ヶ月、ANの過食・嘔吐型では鹿児島県35.1ヶ月、他5県82.4ヶ月、過食症の過食・嘔吐型でも鹿児島県は34.2ヶ月他5県64.0ヶ月と、いずれもノンパラメトリック法検査にて有意差がみられた。これらの結果は鹿児島県では早期より啓蒙がなされ、早期治療がおこなわれてきた結果であると推察している。 2.チーム医療と予後の関係について:本症治療は病態が複雑でチーム医療が基本である。ここでは入院治療に対する決断の仕方と予後、行動療法中の患者の違反行動に対する主治医・看護婦の対応を予後について調べた。その結果、家族の強い勧めで入院した群は、自分から入院した群に比べてBlobal Clinical Score(GCS)は低く(p<0.05)予後に良好であった。行動療法中、患者の違反行動に対する主治医・看護婦の対応について、主治医を「厳しい」看護婦を「やさしい」と評価した郡がGCSは低く(p<0.05)予後は良かった。また入院治療の体験が役立っていると考えた6割は予後が良かった。 3.SPECTを用いた局所脳血流の研究ではANの過食・嘔吐型は食物に関する視覚刺激だけで容易に不安が惹起され、右脳の前頭葉と頭頂葉を主に有意な局所脳血流の増加を認めた。今後の本症薬物治療の発展に示唆を与えるものである。