今回のフィリピン遠征のこと、

しっかり書きますね、何かこのことが参考になれば。

 

初めてフィリピンに行ったのは、3年前の9月。

同じく初の海外遠征だったアメリカから帰国後に、オファーをいただきました。

 

 

Starmarieの状態と言えば、

TIFにも呼ばれない、後輩には追い抜かれる。

言わずもがな「AKBは地上」「Starmarieは地下」というのが共通の認識でした。

 

あれから昨日までで7回のフィリピン遠征を行ないました。

 

僕は、Starmarieをあきらめていませんでした。

(と、いうより、今思うとちょっとバカだったのかもしれない。)

AKB、ももクロ、SUPER GiRLSより良いと思ってやっていましたし、売れるぞ、という意識を持っていました。

 

今でこそ、状態が良くなって来て、少しずつ変わってきましたが、

あの頃は、とても説得力はなかったでしょうね。

 

 

2013年9月。

フィリピンという国に驚きました。

僕が子供の頃に学んだ教科書では、

日本=先進国、東南アジア=発展途上国、みたいな意識を持っていました。

 

時代が変わったのか、教育が間違っていたのか。

もうすぐ、日本はフィリピンに人口は抜かれるし、とにかく平均年齢が若い。

このままでは日本がフィリピンに負けるのは目に見えています。

その時、時代遅れな教育を受けてしまった僕たち世代は、

きっと現実から目を反らしてしまうでしょう。

 

7回のフィリピン遠征は、

すべて決して良いホテルには泊まっていません。

(一度くらいは、良いホテルに泊めてあげたいのですが、ごめんね)

 

地域によっては、裸足のストリートチルドレンが物乞いしてきます。

大統領が代わり、治安は圧倒的に良くなったと聞きますが、街の持つ、光と影を肌で感じる。

 

それらを感じながらステージに立つこともまた意味があると思っています。

 

 

 

実は僕とスタッフの鬼塚は実は8回目のフィリピン遠征です。

 

1回多いのは、この街の魅力に興味を持ち、視察だけの渡航を行なったからです。

 

現地のオーガナイザーとイベント会場を訪ねたり、

飛び込みでStarmarieを出演させてくれないか、とか言ってみたりしました。

 

 

その中の1つが、Movie Stars Cafeというお店でした。

「ここのオーナーは日本人だよ」と教えてくれました。

今日は不在だから明日来てね、と言われたから翌日また行きました。

 

 

そこで出会ったのが、hallohallo Incの黒澤さん。

元日本の有名レコードメーカーにいた方だ。

 

誰かの引用より、、

http://beaus.net/blog/2015/12/フィリピン最大の日系企業ハロハロインク/

 

 

とにかく、Starmarieの勇気(フィリピンに来る日本アーティストはほぼ皆無)に感動して下さり、

以降、毎回フィリピンに伺う際はご飯を食べさせてもらったり、

Movie Stars Cafeでワンマンやらせてもらったり、

一度フィリピンのテレビにも出していただいた。

 

後に、MNL48は彼らが仕切ることになる訳だ。

 

やがて、Starmarieは5人になり、STARMARIEヘ。

停滞していたもの

が、加速する。

 

 

2016年。10月。

直近、6回目のフィリピン遠征だったCOSPLAYMANIA。

大盛況の後終了し、黒澤氏にこう言われました。

 

 

「12月に日本フィリピン友好60周年をやるんだけど、AKB呼ぶ予定で、STARMARIE来る?」

 

高谷「え?何日ですか?」

 

「12月4日。3日も関連イベントが入るかも。」

 

高谷「・・・。是非行きたいです!」

 

 

しかし、生誕イベントを組んでいたこともさることながら、中野サンプラザ前の大事な時期。

 

・・・。

フィリピンの国民行事。

AKB48と共演というチャンス。

黒沢さんの厚意。

 

 

日本とフィリピンでは時間の流れが違います。

この規模のイベントを日本で仕掛ける場合は、1年とか、遅くとも半年規模でしょう。

 

2ヶ月を切っている中での打診でした。

そこからポンポン進めば良かったのですが、

さらに1ヶ月以上停滞。

 

日本の外務省、フィリピンの日本大使館、AKSの調整。

これはなかなか大変そうですね(僕は何もしていませんが)。

 

それらの調整が済んだ後に、STARMARIEの調整が始まるわけです。

スケジュールだけキープしながら、その時を待つ。

僕は黒澤さんを信じていましたから、行くつもりでした。

 

内情は、というと、

イベントとしては、AKBを呼べればOK。まぁ当然の考え方です。

 

しかし、ここで、黒澤さん、在フィリピン日本大使館の担当者は、

STARMARIEの活動をちゃんと見ていてくれました。

 

ずっと続けて来た、地に根ざした活動。

 

 

12月4日。

日本-フィリピン友好60周年記念イベント『60 Years of Philippines-Japan Friendship Celebration』

 

きれいなAKBの楽屋。

汚いSTARMARIEの楽屋。

 

こういうのは慣れている。

が、メンバーには申し訳ない限り。。

 

みなさんも、日常ではそういったことを感じるとは思いますが、

STARMARIEはたくさん、本当にたくさんそんな経験をしてきました。

 

誤解しないで欲しい。

決してhallohalloさんが悪い訳ではない。

これがただ、現実なのだ。

今回参加できたことが奇跡なのだ。

 

しかし、大事なことはそれじゃない。ステージ。

 

この日、国歌斉唱の後に、STARMARIEが登場。

 

トラブル発生。

かえでとのんちゃんが出てこない。

 

理由は、スタッフの連携ミスでマイクが渡されていないにも関わらず、MUSIC STARTのキュー(きっかけ)が出まくる。

時間を押したくない、という意識からだろう。

そう、もちろん彼らも悪くない。

こんなこと、海外イベントでは日常茶飯事。

 

機転をきかして、メンバー3名が繋いでくれ、

仕切り直し、全快の7曲パフォーマンス。

 

 

 

 

僕は、海外遠征は記念旅行や、

普段のルーティンになった活動にアクセントを、という発想ではない。

 

確実にファンを掴みたいと思っている。

 

いつか武道館やる時は、

もしフィリピンのVISA制度が撤廃されていれば、

絶対来て欲しい。

 

 

この日は、明るめのセトリを中心に、

かっこいい曲もしっかり披露。

(さすがにサーカスは不謹慎だから外す)

メクルメク勇気はメンバーが振り付けを参加しやすいようにコンパクトに変更。

タガログ、英語を混ぜたMC。

 

 

 

12/4 STARMARIEセットリスト

 

1、姫は乱気流☆御一行様

2、綺麗なレオナの肖像画

MC

3、スペル・オブ・ザ・ブック

4、三ツ星レストラン・ポールからの招待状

5、屋上から見える銀河 君も見た景色

MC

6、メクルメク勇気!

7、名もなき星のマイホーム

 

STARMARIE終了!達成感。

 

続いて、AKB48 チーム8。

もちろんすごく盛り上がっていたしかわいかった。

でも、STARMARIEとはまったく違うものだから、

比較の対象にはならないと思った。

 

なんだ、僕がずっとどこかで意識してたことって、そういうことか。

 

 

その後、予定になかったGreeting(グッズ販売、サイン会、握手会)を開催。

やれて本当に良かった。

 

さらに、飛び入りで追加2曲やらせてもらった。

AKB48はもう退出されたそうだ。

 

 

何より、STARMARIEが7回もフィリピンに行く理由は、

僕たちもファンのみんなに会いたいし、ファンのみんなもSTARMARIEに会いたいと思ってくれているから。

 

 

このたびのフィリピン遠征は、

黒澤さんが、いわゆる、ごり押しをしてくださった。

 

STARMARIEには賞状をあげたいくらいだって、言って、

大使館、AKSさんに言ってくださったそうだ。

 

 

7回の遠征を通して、友達がたくさんできた。

昨日も、初のフィリピンからずっと愛して下さるスタッフたちが仕事関係なしで駆けつけてくれた。

 

 

 

2013年。あの頃。

アイドルブーム到来。

Starmarieは苦しんでいた。

でもあきらめない。勇気を持って前に進んでいく姿勢が、今回のイベントに繋がっていった。

あの時はこんなストーリーはもちろん描いていない。

ただ、がむしゃら。

今回もあとは帰国するのみ、事故もなく済んだ。

海外では、事故がないことが最も"成功"たる要素だったりします。

 

 

やっぱり綺麗なホテルにも泊めてあげたいな。

でも忘れてはいけない。

僕たちは営業しにフィリピンに行っているわけではない。

ファンを作り、仲間を作り、STARMARIEとしても、人間としても成長していくために。

 

 

次は、綺麗な楽屋に案内されることが目標だ。