生まれた時点で何らかの疾患を持っている赤ちゃんは3-5%に存在すると言われています。多くは生活に支障を与えない軽度の疾患ですが、1-2%に生活に影響を与える先天異常を認めます。
先天異常の60-70%が原因不明とされており、いわゆるダウン症などの染色体異常の確率は先天異常の中の5-6%と高くはありません。
先天異常に対する出生前診断としては、ダウン症などの有無を調べる染色体検査が有名ですが、すべての異常がはっきりわかるわけではなく、自閉症や知的障害など、生まれる前には全くわからないものもあります。
日本では、生まれてくる赤ちゃんの出生前診断は、ご両親が希望する場合のみ行っています。また、それぞれの検査によりどのような疾患が検査でき、その疾患の赤ちゃんをどのように治療するのか、その後の生活がどうか、といった説明は当院でもある程度は可能ですが、検査を受ける前には高知県では高知大学、もしくは高知医療センターで行っている遺伝カウンセリングを受けていただく必要があります。これは知識のないまま恐怖心のみで人工妊娠中絶を行うのを防ぐためであり、それぞれの施設で検査を受けていただくよう当院からご紹介しています。
妊娠に対する考え方はご夫婦でも色々おありのことと思いますが、それぞれのお考えをお聞きするのが我々の仕事です。ご心配などあればまずはご相談ください。