サイトメガロウイルス感染症は、小児期にかかることが多いもので、小児の場合にはほとんどは不顕性感染、つまり無症状です。

思春期以降に感染すると、発熱、肝機能異常の他にも、首のリンパ節の腫脹などを認めることがありますが、無症状で経過する場合も多いです。

以前は、9割以上が小児期に感染するためあまり問題となりませんでしたが、現在は衛生面での進歩が、逆に感染を遅らせる結果となっています。近年の働き方の変化により、託児所や保育園へ入所する方が増えており、今のお母さん方の年齢より、現在の子供たちの方が感染率は上昇している可能性もあります。

抵抗力のない妊婦さんへの子供たちを介した感染による胎児サイトメガロウイルス感染が問題となっています。

低出生体重、聴力、視力障害や知能障害など多彩な後遺症を残す可能性がある重篤な状態ですが、ワクチンもないため、感染の予防のみで防がなければいけません。

家庭内感染が多く、感染児は尿や鼻水などの体液に数年間ウイルスを排出するため、特に2人目以降の妊娠で注意する必要があります。おむつや食事介助、鼻水やよだれを拭いた後には石鹸と水とで20秒程度の手洗いをしっかり行ってください。また、子供の食べ残しは食べないようにしてください。