妊娠中は、妊娠に伴うホルモンの変化などで、もともと頭痛がある方も、ない方も頭痛を訴えられる方が多くいらっしゃいます。

 

しかし妊娠中の薬の処方は胎児への影響があるため、通常副作用を起こさない薬でも、胎児への悪影響を考慮した処方が必要となります。妊娠中以外でよく処方される、イブプロフェンやロキソプロフェンなどのNSAIDsとよばれる鎮痛剤は、胎児に必要な動脈管という血管を閉めるため禁忌となっています。

 

風邪薬などに使用されるアセトアミノフェンは、古くから使用されておりガイドラインにも安全として掲載されていますが、ここ数年で発表された研究で、長期投与による児のADHD(注意欠陥多動性障害)や、言語獲得の遅れとの関係が示唆されており、現在安全性について研究が進められている状態です。

 

頭痛への当院の対応としては漢方薬などで改善されるかたもおります。

妊婦さんの頭痛は大きく私が考えるに4種類あり、①片頭痛、②肩こり頭痛、③気圧変動、水分やホルモンバランスによる頭痛、④脳内の疾患による頭痛

 

頭痛で怖いのは④が疑われる場合。専門の病院へ紹介させていただくこともあります。

 

①に呉茱萸湯、②に葛根湯、③に五苓散を使用するとより良いです。明確に区分できないこともあり、組み合わせて処方させていただいています。