チヌのカラスミ作り | ぽんのあれこれ

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徒然なるままに日暮し、スマホに向かいて心に移り行くよしなしごとを書き連ねます。基本的には備忘録。


気になったらお好きにコメントしていただければと思います。

  チヌの卵が手に入ったので

チヌは実は雌雄どちらも有する状態で生まれ、先に精巣が発達する雄性先熟の特徴を持つ魚です。


つまり小さな頃は全てオス、大きくなると性転換してメスになるという魚です。大きな個体程メスの確率が高くなる。


本来、産卵期の魚は身質もピークからは遠く及ばず、水産資源としても増える根本を絶つわけなのであまり個人的には両手を挙げて喜べるものでは無いんですが、チヌのノッコミなんかはやっぱり釣りやすくなっているし、それほど水産資源としての価値が大きいわけでもない、なんなら海苔を食べる害魚扱いされていたりなのでまぁいいかなとか思っちゃうんですが、ただ単に卵を煮付けるのは飽きたなぁ…という所。


なので、カラスミにしてみることにします。カラスミは日本三大珍味の一つとされており、買うととても高い。魚卵が決して安くない上に手作業で行われる部分も多く、製品としての価値は跳ね上がるため高級品となるのでこういったものは作るが吉。


本来カラスミはボラの卵を使って塩蔵して干すもの。それが長期になると表面が黒くなってきて中国から輸入される墨(唐墨)のように見える事からその名が付いたとされています。


  前書きはそれくらいにして


この時採れたチヌの卵を塩漬けしておきます。


血抜きしてるので殆ど血が回ってなかった

可能な限りの血を抜いて沢山の潮で塩蔵します。
一晩経って出た水分は捨てて再度塩しておきます

一週間程冷蔵庫で塩蔵して、塩を抜きます。水道水だと塩の抜けが悪いので少し塩をした水につけて二晩塩を抜きます。

水から上げて水分をきり乾きやすいように少し潰してからバットに置きます。

あとは外に置いて夜には引き上げて日本酒で拭きあげてを繰り返したら完成!でしたが…

一晩経って…


春の陽気を燦々と浴びて、一気にカラスミらしくなりました。


あれ?これもう食べられるやつでない?

ということで、端を少し食べてみた。

…うまっ。

味はちゃんとカラスミの味がする。カラスミとちがうのは、少し風味にあおさの風味というか、磯の香りというか、決して嫌ではない澄んだ磯の香りが乗っかり、舌に広がる風味がまるでムラサキウニ。

これはもう生カラスミとして完成にしよう。と思いましたが、一応香り付けのために日本酒で拭いて、もう一日だけ干すことにします。ちょっとカラスが持っていくのでは?という不安がありつつも、もう一日干せば大きい方も良い感じに干上がるんではないかなと。

くれぐれもカラスにはご用心。「カラス」「ミ(見)」だけにね。…お後が宜しいようで。