目の下のたるみ・クマ治療の「二大派閥」とは? 〜私が推す方法について解説します〜 | 美容外科医 セオリークリニック筒井のブログ

目の下のたるみ・クマ治療の「二大派閥」とは? 〜私が推す方法について解説します〜

こんにちは、美容外科医の筒井です。


今回は、私が専門としている「目の下のたるみ・クマ治療」についてお話しします。
実はこの分野、現在2つの大きな治療方針が存在し、それぞれに長所・短所があるため、医師によって考え方が異なることも多いのです。

私自身は「脱脂術+脂肪注入」の方法を中心に治療を行っており、その理由も含めて詳しくご紹介します。

■ 治療の基本原理は「凹凸のバランスを整える」

目の下のクマやたるみは、実は「膨らんでいる部分(眼窩脂肪)」と「凹んでいる部分(頬の脂肪が下がった部分)」が作り出す陰影によって目立ちます。

つまり治療の基本は、
• 膨らんでいるところを凹ませる
• 凹んでいるところを膨らませる

この2つを同時に行うことで、滑らかで若々しい目元に整えることです。


■ 治療法の2つの流派

① 脱脂術+脂肪注入(私が推している方法)
• 膨らみ(眼窩脂肪)を小さな切開から適量除去
• 同時に、太ももから採取した脂肪を凹みに注入
• 目の下全体の形をデザインしながらバランスを調整


この方法は、術中に大きな腫れが起きないため、注入量や形の調整が非常に正確に行えるのが最大のメリットです。

② 裏ハムラ法(対立する考え方)
• 眼窩脂肪をくぼみに移動して凹凸を整える
•  目の下の脂肪の移動のみで完結する
• 切開が大きく、腫れやすい
• 凹みが大きいタイプには、脂肪注入を追加する必要がある

ただし脂肪注入を組み合わせる場合、術中に腫れることで、脂肪注入の正確性が落ちる点が課題になります。

■ 両者の比較(図解)

以下に、治療法の違いを図でまとめてみました:


■ なぜ私は「脱脂+脂肪注入」を推しているのか?

見た目を整える上で最も重要なのは「自然な立体感と滑らかさ」です。
そのためには、術中の状態をコントロールしやすく、精密なデザインが可能な方法が求められます。

ここで大切なのは、「膨らみに対してどうアプローチするか」という視点です。

実は、手術によって膨らみ(眼窩脂肪)を“正確に”減らすことは非常に難しいのです。
手術は“引き算”の技術であり、どうしても大雑把になりやすいという側面があります。

一方、脂肪注入は“足し算”の技術で、0.01ml単位の細かい調整が可能です。
このことから私は、手術の設計は引き算ベースではなく、足し算ベースで組み立てるべきだと考えています。

つまり、
• 必要最小限の脱脂で腫れを抑え、
• 精密な脂肪注入で最終形を整える

というアプローチです。

ただし、ここで問題になるのが「誰でもできる方法ではない」という点です。
目の下の脂肪注入は、注入系の手技の中でも最も難易度が高いとされており、
この“足し算ベース”の治療を行える医師は、実は限られています。

だからこそ、技術とデザイン力の両立が求められるこの方法を、私は責任を持って行っています。

■ 最後に

それぞれの治療法には考え方があり、どちらが正しい・間違っているというよりは、「どんな目元を目指すのか」「どのようなタイプのクマ、たるみなのか」によって適切な方法が変わります。

あなたに合った方法を、じっくり相談しながら一緒に選んでいければと思います。