今日は、医学生が面接にやってきた。
うちの大学では、医学生に対して研究の経験を積ませるためのプログラムがある。
一応そのプログラムには定員があり、選ばれれば夏の間の3ヶ月間ちょっとした生活費を大学からもらいながら研究を行うことができるのである。
医学生には、受け入れ可能なファカルティーの名簿と簡単なプロジェクトのサマリーが渡されて、その中から行きたいラボや、つきたい臨床医を選ぶことになる。
まぁ研究自体の費用は出さなくてはいけないが、給料は出さなくてもいいので、損はないだろうと思い去年の年末に受け入れ希望の募集に一応登録しておいた。
基本的には、医学生は臨床研究を選ぶだろうと思っていたので、あまり期待はしていなかったのだが、ある一人の医学生が僕がやっている研究に興味を持ってコンタクトしてきてくれた。
なぜうちのラボで研究したいか訪ねてみたところ、自分の今までの経験から僕らがやっていることが一番ピンときたということだった。
うちのラボの一つのテーマに「癌の骨転移の疼痛のメカニズムの解明」というものがあり、今回はそれを医学生用の研究プロジェクトのテーマとしてこのプログラムに提示していた。
その学生は癌で家族や友達を亡くした経験があるらしく、さらに癌の疼痛を研究していることにとても惹かれたらしい。
そして、せっかく研究するんだったら、ただ経験ができればどこでもいいという訳ではなく自分が興味を持って取り組めるプロジェクトが良かったので、臨床ではなくうちを選んだと言ってくれた。
僕もそれを言われて、若いのにしっかりしているなと思ったし、自分の研究テーマに共感してくれてとても嬉しかった。
そして、自分のメンターになってくれるか?と聞かれたので、二つ返事でオーケーした。まだ、ちょっとしか会っていないがとてもいい子に出会った気がした。
でも、その後ラボのことや研究のことをいろいろ説明していると何を言っても
Fascinating! (みりょくてきー!って感じか?)
を連発するので、もしかしたらちょっとバカなのかな?って思ったのは内緒。