おばちゃん。 | 瀬戸祐介オフィシャルブログ「ゆーすけ、一球入魂中!」Powered by Ameba

おばちゃん。

みなさんお久しぶりです!
瀬戸祐介です。 
コロナウイルスが悲しいお知らせばかりを運んできますが、僕は凛と力強く生きているつもりです。 

4月からなにかと作品から離れた生活になってしまい、SNSなどでの発信も減るかたちになってしまい申し訳ありません。

 そんな中、ショートドラマ「Go!Con!」のオンライン上映会とトークイベントはささやかなイベントながらとても穏やかな時間を過ごすことができました。
ありがとうございました。 

初のリモートでのトークという事で、通信状況などの不具合が生じてしまいましたが、みなさんにリアルタイムで声をお届けできたことはとても良かったなと思っています。 
配信画面に、いつもリプ欄やお手紙などで見るみなさんのお名前がたくさんあって安心しました。
 
リモートって時間を共有してる感じがいいですよね。
 捉え方によっては舞台とかよりも近い感覚になるし、
通信と画質が良かったら完璧ですね。


 いろいろな仕事が再開してから「自粛中なにしてました?」という質問がいろいろな場面で展開されてきたので 
クルーのみなさんにこの空白の時間を埋めるべく、僕の自粛中のお話を。

 SNSも必要最低限しか触らず、心配してくれた方々もいたので。
 久しぶりに文つくってるから端的に書けずに長くなっちゃうかも。。。ご了承ください




 実は、4月の初旬に舞台が中止になって、緊急事態宣言が発令されてからすぐに
僕の大好きだった大伯母が他界してしまいました。 
あと一ヶ月もすれば九十七歳の誕生日を迎える歳でした。 

ここからはいつも呼んでいたように、”おばちゃん”と親しみを込めて書きますね。

 よく晴れた日の午前11時頃、おばちゃんは片田舎にある自宅のベッドから天国に旅立ちました。

自然死。老衰。そんな言葉がおばちゃんには当てはまるらしいです。

 その日も朝にお米とお味噌汁を自分で食べた。と聞いてとても驚いた気持ちと同時に、悔しく思ったことをよく覚えています。 
悲しくて悲しくて世間のニュースなど耳に入らず、心の整理もつかないまま、ただただ作業的に葬儀の準備などに動力を向けました。

 年明けからあまり体調が優れなかったものの、おばちゃんは病院での生活を望まなかったため、定期的に自宅に診療に来てもらうというかたちで暮らしていました。 

はたしてそれがいいことなのか。病院の方が安心なのではないか。もっと良くなるんじゃないか。僕も合間をぬっていろんなサイトを辿って調べました。

 老衰、延命治療、天寿を全うすること…今まで身近になく、考える機会さえなかった領域の知識ばかりでした。 

治療をしないことがその人の生き方を尊重する? 
延命治療をすることは必ずしも幸せを導くものではない? 

気持ちとは裏腹な言葉は
その時はすんなりとは僕の理解のうちに達しませんでした。
 


おばちゃんは九十六歳。僕の三倍近く生きている人です。

 頭も良くて、昔のことを年代から日付まで驚くほどよく覚えていて、戦時中の話、ひいおじいちゃんがみかん栽培を始めた話、そこに出稼ぎに来ていた人たちの話… 

自然に情景が浮かんでくる話ぶりが僕は大好きでした。 
おばちゃんは華道の先生をしていたので、花が好きでした。旅立ってしまった日も庭にはたくさんの花が揺れていました。
 おばちゃんが作る、蒸しパン、草団子は思い出の味です。 
礼儀、節度、品のある女性でした。 

おばちゃんのことが大好きでした。
 家族みんなおばちゃんが大好きでした。


 葬儀の日初めておじいちゃんの涙を見ました。だから自粛期間中はおじいちゃんと過ごしました。山仕事を手伝ったり、たわいもない会話をしたり。 
新しいことを始めたり、片付けをしたり、とかは一切出来なかったけど、時間をもてあますこともなくただただ傷を癒す時間はあの時の僕には必要でした。

 改めて家族の大切さを実感し、命、そして人生の儚さを知る時間となりました。
 


あの日、ベッドに寝ているおばちゃんを見たとき、本当に寝ているだけのような綺麗な表情に状況が飲み込めず不思議と涙すら出ませんでした。
冷たくなった頬に触れて、その違和感すら受け入れたい気持ちでした。 

今もこれからもあの瞬間、あの顔を忘れることはないと思います。

 天寿を全うすること。

 僕も僕の周りの人もそうであってほしいし、それまでの時間をいかにして笑顔のたえない幸せいっぱいの輝かしいものにできるかに
これから僕は力を費やしていくべきだと強く思いました。
おばちゃんみたいに九十六歳まで頑張れるか分かんないけど、いける限り周りの人に与えられるように。

 正直まだ気持ちの整理も出来てないし、実はこのブログも書くのすごい時間かかっちゃってるんですけど、書いたことによって少し前に出れた気がするかな。 
おばちゃんを知らないみなさんにとってはなんのこっちゃだったかもしれないけど
僕にはこんな大切な大好きな人がいたんだよっていうのを、僕を応援してくれているみなさんには知っておいてほしかったんだ。
 
とにかく僕はこれからも頑張ります!みなさんも家族は大事にしてください!って伝わったらよしです。 

いろんな作品が生まれては消え…みなさんも一喜一憂しすぎて疲れたりストレスたまったりしちゃうかもしれないですけど
作品を作る側もあれやこれやと思考や対策をねってみなさんに届けようとしているので

待っていてください。


 これから僕も作品の発表がたくさんあるので
絶対会えるので!
 

あの日々を取り戻しましょう。 

すぐそこです! 

僕はもがきながらも進むよ!
おばちゃんが見守ってくれているからね!


 ドロン!!