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TANATOS~ヨルノウタ~

先日、劇団SE・TSU・NAの舞台を観てきました。



「タナトス~ヨルノウタ~」


演者は4人。


セット転換なし。


一軒の廃屋が舞台で、ほぼ全員ハケなし。

人の心の奥深くを描いた作品。


とても不思議な空間でした。



場所は大阪の天神橋にあるフジハラビル。

ここはもともと、廃墟同然だったレトロビルを改装し、

再生されたギャラリービル。

希少なオブジェや家具が置いてあったり、

写真などのギャラリーがあったり。

外の窓にはタナトスの映像が映されていて、

雰囲気のある素敵なところでした。



ここの地下が会場で、廃屋の空間にぴったり。


人は心の中のどこかに眠るタナトス(ギリシャ神話の死神)を

気付かないように生きている。

傷付かないように。

傷付けないように。

何もかも完璧に生きたいと望むなら、

人は独りでいるのが一番でしょう。


でもそれって寂しいこと。

僕は人間は感情があるからこそ素晴しいと思う。

弱くたっていいじゃない。

下手だっていいじゃない。

好きになってくれなくてもいいじゃない。

何もかもは無理なんじゃない。

人間だもの。

人間くさくてもいいと思う。


心の深層心理を深くえぐるような

考えさせられる舞台でした。

実に興味深い・・。