老後の居場所
二階さんや森さんたちは、自分たちの居場所作りにやっきになっているようだ。
権力の座に固執している。
老後、居場所をなくしていく人は多い。
定年後、再雇用で働く。それは家に居場所がないからだ。もちろん生活費を稼がないといけない事情もあるだろうが、健康の為に通勤したほうがいいと思う人がいる。
でも会社に行けば話相手がいない。話したくても若手とは話が合わない。
そうして居場所がなくなっていくのだ。
そうなると果たして居場所はどこに見つけたらいいのだろう。
そうだ役所だ。役所の人間にいちゃもんつけたり、ちょっとした問題を責めたりして話をするのだ。
それと病院だ。かかりつけの病院なら担当医師と自分の身体のことを話せるし、時間がたっぷりある。
一応、役所と病院は自分の話を聞いてくれる人を見つけられる(実際には、公務員や医師といえども、こういう人の話は聞き流しているのだが)。しかし一番欲しいはずの配慮/思いやりは得られないままだ。
厄介な問題もある。
定年退職して数千万円の退職金が振り込まれる。
このことはまるで宝くじが当たったかのように思うのだ。
それと同時に定年退職によって居場所を喪失したという感覚も出てくる。そこで狂ったようにお金を使って居場所を作り出す。
たとえば行きつけの居酒屋を作って毎日昼酒する。学生時代に聴いていた歌手の追っかけを始める。スポーツカーやキャンピングカーを買って全国をドライブしだす。親身になって話してくれるというだけで証券会社が勧める投資信託に手を出す、という具合だ。
老後の居場所を見つけるというより、ただ勘違いする人が多く、老後を失敗することが多い。
老後の人生を「成功する人」と「失敗する人」の違いが出てくる。
残り少ない人生を間違えないよう、慎重に計画的に、またある意味大胆に生きましょう。