「ん?どした?俺の顔に何か付いてるか?」
それとも、キスしたくなったか?と、あたしの頬に右手が触れた。
「うん。キス…して?」
あたしが目を閉じると
「奈緒…、お前マジでどうした?」
さっきから変だぞ?そう言われた。
「いいから、早くっ…」
両手で左之さんの服を掴むと
「分かったって…」
チュッとリップ音を立てて、キスをくれた。
「ダメ…もっと深いの…」
そうお願いすると
「奈緒…ほんと、どうした?お前からなんて、やっぱ何かあったんじゃないのか?」
あたしの顔を覗き込んできた。
「なんもない…したくなっただけ…」
俯きながら言うと
「無理っ」
意外な返事が返ってきた。
してくれると、思ったのに…。
あたしの視界が、ぼやけてくると同時に
「あー、無理って言うのは、その無理じゃなくてな?止まんなくなっからさ」
それとも総司の墓の前で見せつけてやるか?野外プレイも、たまにはいいよな?って、サラッと言っちゃうところがスゴイ…。
「じゃぁ、いい…」
あたしは左之さんの横を通り過ぎて総司の、お墓に行こうとした。
つづく…。