305号室の男 57 | ★妄想変態恋愛小説★

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「なぁ、桜の話していいかぁ?」



後ろから聞こえた声に



「あ…あぁ。」



左之さんは、あたしを離すと床にドカッと座った。



その隣に、あたしも座ることにした。



「ね…ねぇ!その前に…2人は知り合いなの…?」



疑問に思ってたことを、ぶつけた。



あぁ、雅は…そう左之さんが言いかけた時



「俺の好きな人を左之に取られた…そういう関係♪」



雅が言葉を被せた。



「えっ……」



あたしは、左之さんを見上げた。



「……っ。雅、お前な…」



左之さんは、雅を睨み付けると



「だって、本当のことだろ?」



くくっ、と笑った。



「あ、もしかして。雅の好きな人って、桜さん…?」



これは、あたしの直感。



そんな気がしたから。



「おぉ、女の直感ってスゴイねぇ!」



そうだよ、俺は桜が好きだったよ…そう言う雅は顔を伏せた。



「じゃぁ…左之さんは、桜さんと付き合ってた…?」



左之さんを見上げ聞くと



「……あぁ…。」



躊躇いがちに答えた。



そっか、桜さんはまだ左之さんが好きで、雅は桜さんを好きなんだ…。



きっと、まだ…。



つづく…。