「枝折り」としての本 | 出会った言葉たち ― 披沙揀金 ―

出会った言葉たち ― 披沙揀金 ―

「披沙揀金」―砂をより分けて金を取り出す、の意。
日常出会う砂金のような言葉たちを集めました。

 「おかえり、栞(しおり)の場所で待ってるよ」

 きょうから始まる読書週間(11月9日まで)の標語は、栞をはさまれた書物が読む人に語りかける。これまでのものに比べてひときわソフトな印象だ。

 (朝日新聞、「日曜に想う」(2019.10.27)より)

 

 しおりは、山道で枝を折って道しるべにする「枝折る(しおる)」が由来という。本もまた、人生に迷ったときの道しるべになってくれる。

 (毎日新聞、社説(2019.10.27)より)

 

 「おかえり、栞の場所で待ってるよ」

 読んでいる途中の本が、その続きを読まれるのを待っているという意味。

 そして、もう一つ。読み終えた本が「枝折り」となり、人生に迷ったときに、いつでも待ってくれているという意味。

 

 いい標語だな、と思い、過去の標語が気になって調べてみました。

 その中から、私のお気に入りたち。

 

  本と旅する 本を旅する(2013年)

  ホントノキズナ(2012年)

  気がつけば、もう降りる駅。(2010年)
  しおりいらずの 一気読み(2006年)
  本を読んでる君が好き(2005年)
  ゆっくりと各駅停車、本の旅(1993年)
  風もページをめくる秋(1991年)