サザエさんとちびまる子ちゃんと ─『病牀六尺』(正岡子規)─ | 出会った言葉たち ― 披沙揀金 ―

出会った言葉たち ― 披沙揀金 ―

「披沙揀金」―砂をより分けて金を取り出す、の意。
日常出会う砂金のような言葉たちを集めました。

 先ず食事に一家の者が一所に集まる。食事をしながらの雑談もする。食事を終える。また雑談をする。これだけのことが出来れば家庭は何時までも平和に、何処までも愉快であるのである。

 (正岡子規、『病床六尺』より)

 

 そう言えば、幸せな家族を描いたアニメは、『サザエさん』にしろ『ちびまるこちゃん』にしろ、必ず家族がそろって食卓を囲んでいます。

 『サザエさん』は、1969年の放映開始から50年。時代は変わっても、電話は黒電話。携帯もスマホも登場しない。その分、叱ったり叱られたり、笑ったり落ち込んだり、家族の会話はずっと健在です。

 友蔵じいさんを始め、友達のような家族を描いたところが現代的だと思っていた『ちびまる子ちゃん』も、放映開始からもう30年です。

 

 『サザエさん』や『ちびまる子ちゃん』を見ながら、「そういえば、昭和の家族ってこんなだったよねえ」と思い出話にならないよう、ましてや、「今時、こんな家族はいないようねえ」なんてことがないように、何十年経っても、大切な家族との団らんが残るといいなと思います。

 かく言う私も、平日はほとんど家族と一緒の食事は出来ていないんですけれど。