世界最高の読書論 ─『橋をかける 子供時代の読書の思い出』(美智子)─ | 出会った言葉たち ― 披沙揀金 ―

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「披沙揀金」―砂をより分けて金を取り出す、の意。
日常出会う砂金のような言葉たちを集めました。

 読書家でも知られる、ライフネット生命創業者、出口治明さんが、「おそらく世界最高の読書論だと僕は思っている」と紹介していた本です。

 上皇后・美智子さまが語った言葉をまとめた本、『橋をかける 子供時代の読書の思い出』。

 

 私が、ブログを始めたばかりのころにとりあげた、『でんでんむしの かなしみ』のことも書かれていました。→よろしければこちらもどうぞ。

 難しい言葉は、何一つ使われていませんが、まるで美智子さまが自分に語りかけてきているように、読書の本質が伝わってきます。

 その一つが、次の言葉です。

 

 本というものは、時に子供に安定の根を与え、時にどこにでも飛んでいける翼を与えてくれるもののようです。

 (『橋をかける ─ 子供時代の読書の思い出─』より)

 

 私も、これまで、たくさんの本に支えられてきました。あるいは、支えてくれる言葉に出会いたくて、本を読んできました。「安定の根」がほしかったのだと思います。

 一方で、この場所を離れ、新しい世界に羽ばたく喜びを求めてきました。本の「翼」を借りて、冒険をしてきました。

 

 本が自分とだれかをつないでくれた。自分と本はどこかでつながっている。そんな本を通じての「橋」を感じている方にお薦めの本です。