茅ヶ崎市立浜之郷小学校で校長先生を勤められていた大瀬敏昭さんのことを綴った本です。
大瀬さんは、末期ガンの余命宣告を受け、そのおよそ2年後、2004年1月に亡くなりました。その間、大瀬さんは子どもたちに「いのちの意味」を問いかけ続けました。
その大瀬さんが教師になって初めて赴任した1969年のことを、当時の教え子・赤羽根典子さんが語っています。
赤羽根さんが6年生の時、昼休みのビー玉遊びに夢中になってしまい、つい5時間目の授業を忘れていたそうです。ふと気付くと、背後に腕組みをした大瀬さんが立っていました。
咄嗟に「怒られる」と身構えた。だが、大瀬さんは叱るかわりに、こう聞いた。
「おもしろい?」
子どもたちは間髪入れずに応じた。
「すっごくおもしろい!」
「1日中してても?」
大瀬さんは、また問う。
「おもしろいと思う」
「1週間していてもおもしろい?」
「おもしろい」
「1年中でも?」
さすがに子どもたちは答える。
「う~ん、飽きると思う」
すると大瀬さんは優しく語りかけた。
「一生やってもおもしろいと思える何かを、これから生きていく中で1つ見つけなさい」
(川久保美紀、『いのちのリレー』より)
昨日の『天の瞳』のブログと通じるところがあると思います。
人生の折り返し地点を過ぎ、“To do list”よりも、“Not to do list(これはしないことリスト)”を作ろうかとも考える今日この頃、本当に大切な「一生打ち込める何か」に時間をかけたいと思っています。